高プライバシー一括設定とプライバシー優先の計測方法
プライバシー保護とセキュリティ対策は、AppsFlyer創業時から大切にしているコアバリューのひとつです。継続的な取り組みと投資の甲斐あって、私たちはこの2つの分野における第一人者となり、エンドユーザーのプライバシーと顧客体験を最優先することで、世界の名だたる企業と信頼関係を築くことができました。
クラウドベースのプラットフォームを提供する側としても、各企業がエンドユーザーのプライバシーを守りながら常に良質な顧客体験を提供できるように、iOS 14の新しいガイドラインなどのルールやポリシーに対応できる体制を整えています。
この数年間、AppsFlyerではプライバシー保護を軸に置いたソリューションをいくつも手がけ、直近では インクリメンタリティ(Incrementality)、SK360、 PredictSK(SKAdNetworkの予測分析ソリューション)、Web-to-App、高プライバシー一括設定など、アプリ業界のビジネスモデルを変える新しいソリューションをリリースしてきました。これらを活用することで、十分なプライバシーの保護をはかりつつ、エンドユーザーに対して優良なユーザー体験を提供することができます。
ここ2~3か月はマーケット全体で連携してSKAdNetworkに対応すべく「SK360」を立ち上げ、各企業がSKAdNetworkの価値やインサイトを見出せるようにと努めてきました。しかしながら、SKAdNetwork特有の複雑さ、それゆえに生じる誤解や勘違い、不正リスクの可能性、はっきりしないATTフレームワークの適用時期、といった理由が相まって導入率は依然として低いままです。
潜在するリスクや不確実性はエコシステム全体、特にアプリ開発者に対して大きな課題を突き付けることになりました。こうした課題を解決できるように、AppsFlyerではSKAdNetworkについてよりいっそう理解を深めるサポートを続け、広告主、メディアソース、エコシステムが力を合わせて、だれもがSKAdNetworkを同じように使いこなすことができるよう全力で取り組んでいきます。
AppsFlyerの責任ある立場
私たちAppsFlyerには信頼を置かれているマーケットリーダーとして、広告主がAppleのポリシーとガイドラインに遵守できるようサポートを続け、またエンドユーザーのプライバシーを守りつつも優れた顧客体験を提供する、という大きな責任があります。
プライバシーやセキュリティ面のリスクを考えると、この分野のスペシャリストたちはユーザーレベルで取得したデータよりも、集約されたデータのほうが好ましいとしています。私たちも過去のブログで集約式アトリビューションであれば、ユーザーレベルまで掘り下げたデータを収集することなく、ユーザーのプライバシー保護と顧客体験の両方を向上させることができる、と見解を述べました。
したがって、これよりAppsFlyerでは高プライバシーポストバックを有効にした状態の「高プライバシー一括設定」をデフォルトの設定にすることにしました。この変更によって次の4つに該当する場合を除き、iOS 14.5以降のApple端末ではユーザーレベルの計測データが取得できなくなります。
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1. オウンドメディア
2. ユーザーが広告掲載アプリと広告主アプリの両方のATTに同意
3. WEBキャンペーンを通じて獲得したユーザーが広告主アプリのATTに同意
4. iOS 14.4以前を使用している端末
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高プライバシー一括設定の目的は、SKAdNetworkと同じく、クロスサイトトラッキングを防止し、個人または端末を特定できないようにすることです。また高プライバシー一括設定は、SKAdNetworkで定めているプライバシー基準を最低ラインとして設けています。
2021年、この先の展開
決定論的アトリビューション(ユーザーレベルで広告の効果を計測)と集約式アトリビューション(キャンペーンレベルで広告の効果を計測)では、前者のほうが精度が高いものの、IDFAが取得できなくなったあとでは、後者のほうが正確な計測ができることがわかりました。その理由は、集約式アトリビューションは機械学習によって広告キャンペーンの効果計測の精度を向上させることを目的としているからです。私たちが目指すところは、いかに高い精度で広告キャンペーンの効果計測をするかであって、ユーザー像を浮き彫りにすることではありません。
決定論的アトリビューションを使用するのは広告配信における誤った判断を最小限におさえるためだと言えますが、それに対して集約式アトリビューションはユーザーレベルの情報に左右される要素がないため、より高い精度とプライバシーの保護を提供できると言えます。
AppsFlyerは広告キャンペーンの正確さと精度を最大化するとともに、AppleおよびSKAdNetworkで定義されているプライバシーと同等またはそれ以上のレベルへ引き上げていくことを目標にしています。クロスサイトトラッキングによってユーザーが特定されてしまうことがないような環境をつくり、またSKAdNetworkで求められるプライバシー保護のレベルに基準をあわせていくために、これからも高プライバシー一括設定の強化と開発を進めていきます。
AppsFlyerは中立的で独立した信頼できるマーケットリーダーとして、広告主はじめ、アプリ開発者、エコシステム、そしていちばん大事なエンドユーザーを最優先に考えた取り組みを継続していくことをお約束します。