Tilting Point、AppsFlyerのアトリビューションを採用し、19種類のゲームでROI目標を達成
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AppsFlyerの採用で好調なROIをたたき出すゲームタイトル数25
AppsFlyerの指標を採用したメディアパートナー数AppsFlyerのアトリビューションデータとSKAdNetworkソリューションを採用したTilting Pointは、ROIを向上させるとともに、iOS 14の課題を克服しました。
背景
Star Trek Timelines」、「Adventure Escape Mysteries」、「Hidden Hotel: Miami Mystery」など、Tilting Pointはカジュアルからハードコアまでさまざまなジャンルのモバイルゲームを30種展開するパブリッシャーです。2021年のアプリダウンロード数は3,400万、ゲーム部門の収益は3,100万米ドル(data.ai調べ)と、同社はグローバルモバイルゲーム界の主力の一端を担っています。
Tilting Pointは2012年に創業し、「プログレッシブパブリッシング」と呼ばれる新しい経営モデルを構築しました。創立者は、モバイルゲームのマネタイズはゲームデベロッパーとの関係を深めれば成功するとの信念のもと、同社を設立しました。
プログレッシブパブリッシングは、以下に挙げる2種類の戦略を展開するモデルです。
- ライブパブリッシング(通称「パワーアップ」):ユーザー獲得(UA)の資金調達、マーケティングキャンペーン管理、クリエイティブアセットの作成、アプリストアの最適化、広告のマネタイズ、プロダクション管理、ライブオペレーションなど、すでに活発なゲームのマネタイズを加速化させます。
- ゲームの共同開発(通称「チームアップ」):ゲームデザイン、PR、IPライセンシング、コミュニティマネジメントなど、ゲーム制作やその他関連サービスへの資金調達。
2018年、Tilting Pointはユーザー獲得(UA)資金として、直接投資顧問業のMetropolitan Partners Groupから年間1億3,200万ドルを得る契約を締結しました。
課題
Tilting Pointのグロースチームはモバイルゲーム30種の投資利益率(ROI)を向上させるという目標を掲げています。
ROIを最大限に高めるには、日々の入札や予算を最適化するための即時性が高く正確なデータが必要です。
Tilting Pointは世界中で多様なユーザーベースを抱え、複数の収益モデルでゲームを管理しているため、マーケティングと計測データをカスタマイズし、ゲームそれぞれの目標を達成させたいと考えていました。
一部のメディアパートナーやゲーム全体での損切りのため、可能な限り短い時間でテストや最適化を完了させなければなりません。
2021年、iOS 14.5に計測の制限事項が導入され、当然ながらTilting Pointなどのゲームパブリッシャー各社は、自社iOSアプリのマーケティングの最適化に大きな影響を受けました。iOS 14.5のリリース以降、キャンペーンをAppleのSKAdNetworkで計測しないかぎり、データのトラッキングに同意しないユーザーのインストールデータの大半で決定的アトリビューションが不可能になりました。2021年12月現在、データのトラッキングを許可しているiOSユーザーは全世界で46%です。
SKAdNetworkのおかげでマーケターは多くのインストールでユーザーレベルの決定的アトリビューションを再び取得できるようになりますが、技術上の制約を伴うため、コンバージョン値を取得し、iOSキャンペーンを総合的な視点で分析するのが格段に難しくなりました。
マーケターは大半のケースで、SKAdNetworkを通じてインストールから24~72時間以内のコンバージョン値しか取得できなくなり、インストール後のアクティビティと等級付けするコンバージョン値は0から64までの値の組み合わせに限られます。
SKAdNetworkはアトリビューションのフローをすべて取得しないため(つまり、アプリ内広告からのインストールに限定して取得するため)、マーケティングのパフォーマンスの全体像がつかめないという問題点もあります。また、データセットが重複するため、SKAdNetworkデータと他のソースからのアトリビューションデータを容易に結合できません。
ソリューション
2021年4月に施行されたiOS 14.5のプライバシー強化策に動揺するマーケターをよそに、Tilting Pointは2020年8月にiOSアプリキャンペーンの計測にAppsFlyerのSKAdNetwork管理画面を導入しました。
限られたデータ環境で最大限に最適化できるよう、同社は現在、AppsFlyerからiOS 14以降のソリューションを新たに追加導入しています。そのラインナップをご紹介しましょう。
1) Conversion Studio(英語): 計測要件(エンゲージメント、収益、または両方を組み合わせて)をもとに、マーケターはAppsFlyerの管理画面でコンバージョン値を直接マッピングして設定できます。マッピングをカスタマイズする手間が煩雑だったため、Tilting PointはConversion Studio導入まで、全アプリでコンバージョン値を$1-64と設定していました。
Conversion Studioを導入後、Tilting Pointはアプリごとに設定が必要な、収益の幅と上部ファネルのイベントの計測で、手間をかけずにコンバージョン値の設定をカスタマイズできるようになりました。
アプリ内購入はSKAdNetworkが定めるインストールから24時間以降に成立する場合が多いため、Tilting Pointは上部ファネルのイベントを計測し、新規ユーザーの価値を正確に予測できました。
2) コンバージョン値がNull: 14% に及ぶコンバージョン値がNull(Appleがインストール後のデータを提示しないため)のSKAdNetworkインストールデータを補完するため、AppsFlyerでは機械学習モデルを導入し、機会を失ったイベントや収益のデータを予測しています。
3) Single Source of Truth (SSOT)(英語): Tilting Pointは現在、iOSキャンペーンの計測にAppsFlyerのSKAdNetwork管理画面を導入していますが、iOSのあらゆるアトリビューションソースを結合後、重複したデータを削除するAppsFlyerの新しいソリューション、SSOT管理画面への移行を検討中です。重複するデータソースが複数存在する環境で正確なデータを取得する上で欠かせないコンポーネントです。
さまざまなAndroidやiOSアプリを扱う20社超のメディアパートナーのマーケティング効果を正確に計測するため、Tilting Pointでは、SKAdNetworkに対応しつつAppsFlyerのソリューションに信頼を寄せています。
ゲームのアプリ内購入(IAP)とアプリ内広告(IAA)モデルの両方を管理する際、Tilting PointではAppsFlyerのソリューションで両方の収益タイプを取得し、イベント成立に結び付いたキャンペーンに紐づけています。
この分析値の精度をさらに高めるため、Tilting PointではAppsFlyerのコホート分析(英語)やData Locker(英語)を活用し、リアルタイムのアトリビューションデータをTableauと同期させたAmazon S3バケットに送信しています。その結果、7日間のLTV(顧客生涯価値)を外挿し90日間のLTVを算出するなど、指標をカスタマイズして迅速に最適化できます。
成果
Tilting Pointはアプリ全体で複数のアトリビューションプラットフォームを活用し、他のゲームパブリッシャーからデータを取得していますが、SKAdNetworkソリューションや管理画面、パートナー統合の優位性から、AppsFlyerとの連携を重視しています。
AppsFlyerがメディアパートナーとアプリをシームレスに結ぶプロセスを提供した結果、Tilting Pointは迅速にメディアパートナーをテストできるようになりました。
AppsFlyerのおかげで、当社では新規パートナーのSDKを実装することなく、わずか1か月で新規メディアパートナーのテストを実施できました。
Yi Gong氏、グロースマーケティングディレクター
パートナーテストとマーケティング最適化における最重要ツールとして、AppsFlyerは2年半にわたってTilting Pointをサポートし、19 種類のゲームでROIの向上に成功、以下に挙げるめざましい成果に寄与しました。
- Star Trek Timelines:ROAS(広告費回収率)が60%増、リマーケティング支出額が300%上昇
- Adventure Escape Mysteries:収益が倍増、月平均インストール数が280%上昇
AppsFlyerのアトリビューションプラットフォームは当社チームにとって1日たりとも欠かせないツールです。AppsFlyerのサポートなしにはビジネスが成り立ちません。
Enric Pedro氏、 グロース担当バイスプレジデント