2,000億ドル。これは、世界中のアプリ内広告(IAA)市場が2021年に生み出すと予測された金額です。2017年の数値と比べると、実に2倍もの額に達します。
この数値はまた、IAAは大きな可能性を秘めている一方で、市場の競争が激化していることを意味します。
今日のアプリエコノミーでは無料でダウンロードできるアプリが大多数を占め、アプリ内課金(IAP)(英語)でアプリに収益をもたらすユーザーはごく一部(~5%)に過ぎません。
アプリの多くがIAPだけで成り立っているのは確かです。しかし、アプリはそれと同じかそれ以上に、アプリ内広告(IAA)の収益を重要な収益源としています。
広告主には、より多くの広告をエンドユーザーに表示し、IAAからの収益を最大化しようという意図があります。とはいえ、過度に広告を表示してユーザー体験を損なうのは逆効果です。ユーザー体験を高める形で適切なタイミングに適切な広告を表示するという、絶妙なバランスを維持する必要があるのです。
このガイドでは、アプリ内広告の意味とその仕組み、さまざまな価格モデルとクリエイティブフォーマット、そして、アプリの重要な収益源となるアプリ内広告を最大限に活用するためのベストプラクティスをご紹介します。
アプリ内広告とは?
アプリ内広告とは、アプリ内のスペースを活用してユーザーに広告を表示する、モバイルアプリの収益源です。つまり、アプリに報酬を支払うことで、広告主はアプリ内に広告を表示できるのです。
ゲーム、ソーシャル、ユーティリティ、エンターテインメントなどのジャンルは、IAP収益と並んで、IAA収益にも大きく依存しています。
広告の表示方法やパフォーマンスの計測指標はさまざまですが、それについては後述します。
アプリ内エコシステムの仕組み
モバイルエコシステムには多数のプレイヤーが存在し、それぞれが特定の役割を担っています。詳しく見ていきましょう。
エコシステムは、バイサイドとセルサイドの2つに分かれています。
バイサイドは、アプリの広告枠を購入するアプリデベロッパーや代理店などのステークホルダー、セルサイドは、アプリの広告枠を販売するパブリッシャーと呼ばれる側を意味します。
その中間にアドネットワークが存在します。アドネットワークは仲介役として、パブリッシャーのアプリ内インベントリ(利用可能な広告スペース)を広告主に販売します。
広告スペースを販売したいアプリをアドネットワーク(英語)にリクエスト(英語)すると、アドネットワークが高度なアルゴリズムを用いて、最も報酬の高い広告主を特定します。
アドネットワークと似た媒体として、アドエクスチェンジ(英語)という、証券取引所のようなプラットフォームも利用できます。アドエクスチェンジでは広告枠が1,000インプレッション単位で売買されるだけでなく、広告主がオーディエンスを絞って入札できます。
また、広告主が複数のアドエクスチェンジのインベントリにアクセスできるデマンドサイドプラットフォーム(DSP)(英語)や、パブリッシャーが選定したターゲットオーディエンスに広告を配信できるサプライサイドプラットフォーム(SSP)(英語)もあります。
モバイル計測パートナー(MMP)(英語)は、バイサイドでもセルサイドでもない、エコシステムの独立した一部です。広告主にとって、どのアドネットワークが最も価値あるユーザーを獲得できるかを知るには、MMPが役に立つということも覚えていてください。
アプリ内広告のメリット
私たちはモバイルファーストの世界に生きています。北米ではメディア全体に費やされる時間の26%、かつモバイルに費やされる時間の88%(英語)が、何らかのアプリに使われているという調査結果もあるほどです。つまり、IAAを効果的に利用できれば、大きなメリットが得られるというわけです。
そのメリットについて、いくつかご説明します。
1. フリーミアムアプリ市場の重要な収益源である
ほとんどのアプリは無料でダウンロードできるため、NetflixやSpotifyのようなサブスクリプションモデルで収益を得ない限り、アプリは主に2つの収益源に依存することになります。1つがIAP、もう1つがIAAです。
特にゲームなどの一部の業種では、IAPだけでは十分な収益を上げられないアプリ所有者がほとんどです。これは主にハイパーカジュアル(英語)やカジュアルなど、手軽に遊べてIAPの割合が比較的低いジャンルのゲームに当てはまります(ハイパーカジュアルの収益源がIAAのみであることも珍しくありません)。
さらにゲームアプリのUXは、エンゲージメントを促進する形でレベル間やトランジション時に広告を挿入できるため、IAAに適しています。一方、ユーザーに購入してもらうことを目標としたショッピングアプリでは、少し注意を妨げるだけで購入プロセスが阻害され、ユーザーが離れていくことが考えられます。
メディアコストが上昇する現状において、アプリ所有者はアプリ内のインベントリ価値を認識することで、IAAから大きな収益を期待できるのです。
2. ユーザーエンゲージメントを高める
適切な広告を適切な場所に適切なタイミングで掲載することで、ユーザーとのつながりが強化され、エンゲージメント、リテンション(英語)、そして最終的には収益の向上につながります。
ゲームアプリの場合、たとえば、動画リワードは広告を視聴することで、ユーザーに報酬(通常はゲーム内通貨)が付与されます。完全なユーザー主導で行われるため効果が高く、またリワードを受け取るには連日プレイしなければならないことも多いため、エンゲージメントが高まります。
さらに、アプリを開発したアプリデベロッパーであれば、最も効果的と思われるポイントに広告を掲載できます。フローに溶け込むように広告を掲載できれば、ユーザーの操作を妨げることなく、全体としてより良いユーザー体験を実現できます。
3. アプリ内課金による収益の拡大
前述の通り、アプリの主な収益源はIAAとIAPです。この2つをリンクさせられる広告、つまり、アプリ内課金につながる広告は、アプリ所有者にとっての金脈です。
調査によれば、アプリ内広告にエンゲージしたユーザーは、特定の目的を持つオーガニックユーザーと比べて1セッションあたり4.2倍の製品(英語)を閲覧することが分かっています。つまり、ユーザーが購買顧客に変わる機会が4.2倍も高まるのです。
アプリ内広告の課題
アプリ内広告は、広告を掲載するだけで収益が得られるといった単純なものではありません。収益につなげるには、解決しなければならない課題がいくつもあります。
1. 競合相手から抜きん出る
調査によれば、主にIAAを利用してブランドの認知度向上に役立てているブランドは、3分の2以上(68%)に上ります。ここから、アプリ体験中(英語)に配信される広告がいかに多いかがうかがえます。
広告が乱立する市場において、広告をスキップしたがるユーザーに広告を視聴させ、ユーザージャーニーを続けてもらい、確実にブランドを認知してもらうのは大変です。
この課題を解決するには、彼らの興味を引きつつユーザー体験にも関連した広告を、適切なタイミングで表示する必要があります。
2. iOS 14以降のアプリ内広告収益の計測
AppleのAppTrackingTransparency(ATT)フレームワークにより、アプリ所有者はユーザー識別子(IDFA-英語)の共有をオプトアウトではなくオプトイン方式に変え、ユーザーの同意を得なければならなくなりました。
ATTの影響は大きく、特にインストールアトリビューションに甚大な影響を及ぼしました。アプリ内広告の文脈では、広告主の観点から見て、広告収益に寄与したユーザー獲得ソースを特定しにくくなりました。
一方、パブリッシャーの観点では、トラッキングへの同意がない場合、モバイル計測パートナー(MMP)と仲介プラットフォームは同じIDFV(ベンダー識別子)(英語)を収集するため、広告収益の計測が可能です。
3. 不正行為への対応
これまでの不正アクティビティは通常、フェイクインストール(偽のインストール)(英語)が中心でした。しかし、広告不正の検知技術の向上に応じて不正集団がより狡猾になるにつれ、広告の視聴、レベルのクリア、登録、購入といったファネルの下流で、より価値の高いアプリ内イベントの不正が増加傾向にあります。
こうした不正行為を特定して阻止しなければ、広告主は広告の正確なパフォーマンスを計測できません。計測が不正確な場合、広告主は、より「質の高い」(と偽った)ユーザーを獲得する不正なネットワークに広告費を費やす恐れがあります。
広告主はアプリ内アクティビティでどのような不正が多いかを把握し、イベント後も異常な動作を警戒する必要があります。
アプリ内広告の計測と広告収益アトリビューションが重要な理由
先に述べたように、キャンペーンのパフォーマンスと効果を正確に計測するのは、ときにモバイルマーケターにとっての課題です。
キャンペーンを正しく計測して成果に紐づけられなければ、マーケターはどのチャネルやクリエイティブが価値の高いユーザーを獲得し、どのキャンペーンが価値の高いユーザーを獲得できず最適化が必要なのかを把握できません。
アプリ内キャンペーンを成功させるには、適切なアドネットワーク、適切なターゲットオーディエンスへのリーチ、適切なクリエイティブとメッセージングのすべてをバランスよく満たすことが求められます。このうち1つでも欠けていれば、キャンペーンは失敗する可能性が高いでしょう。
しかし、それぞれの要素を個別に計測することで、欠けている要素を特定して改善に努めることが可能です。たとえ小さな改善であっても、粒度の細かい計測があってこそ、改善点を具体的に掘り下げられるのです。
広告収益アトリビューション(英語)と同様に、ユーザーのIAAアクティビティは、最初にそのユーザーを獲得したネットワークに紐づきます。たとえばユーザー獲得キャンペーンで、あるユーザーが2ドルのIAP収益を生み、同じユーザーが広告の閲覧でも1ドルの収益を生んだとします。このユーザーの累積価値は3ドルです。
繰り返しになりますが、iOS 14以降、アプリ内計測はユーザーのプライバシーを保護するために大きく変化しました。同意しなかったユーザーに対するキャンペーン計測を行いたい場合、アプリデベロッパーはAppleの集約式アトリビューションソリューションであるSKAdNetwork(英語)を利用する必要があります。SKAdNetworkにはいくつかの制約があるため、LTV(顧客生涯価値)(英語)とROAS(広告費回収率)データの質と量が低下します。
ユーザーレベルのデータには個々のユーザーに関する情報が含まれるため、結局のところ、最もリッチなデータはユーザーレベルのデータです。そのため、Androidで利用可能なボリュームであっても、ATTに同意したユーザーのより小さなコホートであっても、これらは非常に価値あるデータなのです。同意していない(iOS)ユーザーのより大きなコホートへの戦略を知るには、こうしたデータが参考になるからです。プライバシーの時代におけるアトリビューションに関する詳細は、こちらのガイド(英語)をご覧ください。
アプリ内価格モデル
価格モデルにはさまざまな種類があり、それぞれパブリッシャーと広告主にとってのリスクとリターンが異なります。そのメリットとデメリットをご説明します。
インプレッションあたりのコスト(CPM)
広告が1,000(ミル)回表示されるごとに、広告主がパブリッシャーに広告費用を支払います。
パブリッシャーにとってのメリット:広告を表示するだけで費用が発生するため、パブリッシャーにとって都合の良いモデルです。
パブリッシャーにとってのデメリット:マージンが低いため、パブリッシャーが適切なターゲットにリーチしている場合、クリック報酬型で得られたはずの収益を逃すことになります。
広告主にとってのメリット:他のモデルと比べて安価です。
広告主にとってのデメリット:広告を表示したからといって、クリックやコンバージョンが発生する保証はありません。
推奨されるケース:広告主がブランドの知名度を向上させたいと考えている場合。
クリックあたりのコスト(CPC)
広告がクリックされた場合のみ、広告主がパブリッシャーに広告費用を支払います。
パブリッシャーにとってのメリット:キャンペーンの目標によっては、パブリッシャーはより高いクリック単価を設定できます。
パブリッシャーにとってのデメリット:期待されるクリック数に達するため、より多くのインプレッションを獲得しなければならない場合があります。つまり、対価を得るにはそれだけ作業量が増える可能性があるということです。
広告主にとってのメリット:広告主にとって、CPC(英語)はかなりコスト効率の良いモデルです。というのも、ユーザーが実際に関心を持った(このケースではクリックされた)ときにだけ費用を払えばよいからです。
広告主にとってのデメリット:ユーザーが誤ってクリックした場合、費用が発生したにもかかわらず何のリターンも得られないことがあります。
推奨されるケース:アプリへのトラフィックを促進することが目標で、具体的な支出が決まっている場合。
アクションあたりのコスト(CPA)
CPA価格モデル(英語)は、クリックが事前に定められたアプリ内の特定のアクション(登録、購入など)につながった場合に、広告主がパブリッシャーに広告費用を支払います。
パブリッシャーにとってのメリット:オーディエンスターゲティングを適切に行うことで、短期間で確実な成果をもたらします。また高額なCPAレートを請求できるため、効率の良い収益源となります。
パブリッシャーにとってのデメリット:要件がより具体的なため、パブリッシャーにとっては比較的リスクの高いモデルです。インプレッション数やクリック数が多くても、ユーザーが要件を満たすアクションを取る保証がないからです。
広告主にとってのメリット:ユーザーの特定のアクションを計測したい場合に、純粋なパフォーマンスを低リスクで測れるモデルです。
広告主にとってのデメリット:指標が具体的で計測可能であることを踏まえれば、スケールが難しいという点以外のデメリットは少ないといえます。しかし、パフォーマンスに重点を置きすぎるあまり、ブランド認知度などの付加的要素を見過ごす懸念が挙げられます。
推奨されるケース:購入や登録など、ユーザーに実行してもらいたい具体的なアクションがある場合。
インストールあたりのコスト(CPI)
その名の通り、アクションがインストールに至った場合にのみ、広告主がパブリッシャーに広告費用を支払います。
パブリッシャーにとってのメリット: マージンがかなり高く、競争の激しい市場ではプレミアム価格を設定できるため、大きな収益が見込めます。
パブリッシャーにとってのデメリット:求められる結果を出すためには、時間と技術を要します。キャンペーンを綿密に監視し、継続的に最適化する必要があります。
広告主にとってのメリット:ニッチなオーディエンスを持つ広告主にとっては、実際にアプリのインストールに関心のあるユーザーにのみ支払いをすればいいことになります。
広告主にとってのデメリット:CPI(英語)では、アプリの利用状況を知ることができません。ユーザーがアプリをダウンロードして起動しても、翌日にアンインストールしてしまえば、実質的には空費と同じです。 また、低コストのインストールで数を増やしたとしても、価値の低いユーザーを引き付けたり、不正インストールにつながる可能性があることにも注意が必要です。
推奨されるケース:インストール数を増やしたい、あるいは幅広いオーディエンスにアプリを宣伝、配信したいといった目標がある場合。
どのマネタイズ戦略(英語)をとるかは、アプリやアプリ内のキャンペーンによっても異なる場合があります。よって、キャンペーンに最適な戦略をテストすることが重要です。
アプリ内広告のフォーマット
広告には、実にさまざまな表示方法があります。目立たないものもあれば、意図的にユーザーの行為を遮るもの、ユーザーの操作が必要なインタラクティブなものもあります。
バナー広告
おそらく、ユーザーにとって最も身近な広告です。通常は画像付きのテキストで、アプリのコンテンツと共に画面上部または下部に表示され、画像や動画、テキスト、CTA(行動喚起)ボタンが含まれます。
動画広告
通常は短い動画で、他のビデオの前に表示されることの多い広告です(たとえば、YouTubeで目的の動画の前に流れる動画が動画広告です)。ユーザーの興味を引きやすく、クリックスルー率(CTR)が高いフォーマットです。
動画リワード広告
大抵はゲームアプリで表示され、ユーザーにとって明確な価値交換があるのが特徴です。つまり、広告を視聴すればリワード(報酬)が得られるということです。 特に連日視聴するとリワードが増える場合、ユーザーエンゲージメントを高めるのに効果的です。
インタースティシャル広告
インタースティシャル広告は、フルスクリーン広告と呼ばれることもあります。通常はゲームでレベルが変わる間など、アプリのフローやページの遷移時に表示されます。そのため、他と比べてユーザーの操作を妨げないフォーマットとされています。リッチコンテンツで、静止画広告も動画広告も利用できます。
ネイティブ広告
アプリのコンテンツに溶け込むように表示される広告です。たとえば、ソーシャルネットワークのニュースフィードに馴染む形で表示されたり、コンテンツ推薦エンジンによって生成された広告が、アプリやウェブサイトのコンテンツに組み込まれてスポンサードコンテンツとして表示される形式を指します。その目的は、アプリのデザインや操作感に溶け込むように広告を表示させ、スクロール中にユーザーの目を引くことです。
プレイアブル広告
プレイアブル広告(英語)は、インストール前にゲームのデモ版をユーザーにプレイしてもらい、「購入前に試す」機会を提供します。インタラクティブで楽しめる広告のため、ゲームアプリの中でも比較的高いCPMレートが設定されます。
オファーウォール広告
動画リワードと同様、オファーウォール広告(英語)は通常、インセンティブのリストが掲載された広告ページを指します。リストにはライフやコインといったアプリ内通貨があり、ユーザーはこれらをインセンティブとして選択できます。完全にユーザー主導で行われるため高いエンゲージメント率を誇り、セッション時間を延ばすのにも有効です。
アプリ内広告のベストプラクティス
IAAの成功を促進するには、さまざまなヒントやコツがあります。
テストを重ねる
どの要素の組み合わせが最適かを知るには、絶妙なバランスを理解する必要があります。そのためには、ひたすらテストを重ねることです。
どの広告フォーマットが最適かを、キャンペーンごとにテストします。続いて、さまざまな価格モデルをテストして、対象のアプリに最も適したモデルを確認します。最後に、さまざまなアドネットワークを実験的にテストし、最も高いCPMを実現するサービスを確認します。
プライバシーガイドラインを確実に順守する
ユーザーのプライバシーをめぐる規則や規制の変更は、いかなる場合も優先されなければなりません。ガイドラインを常に把握し、アプリが要求の範囲内で動作することを確認しておくことが重要です。
エンゲージメントにつながるユーザーを取り込むようにする
アプリの主な収益源がIAAである場合、ユーザー獲得の取り組みでは、広告でどの程度マネタイゼーションできるかを基にユーザーをターゲティングして出稿するようにします。
クリエイティブに投資する
広告主の推測では、ユーザーは広告の表示後わずか1.7秒で、広告への興味を失ったり広告をスキップします。エンゲージメントとリターンを向上させるには、人目を引き、ユーザーに関心を抱かせて想像力をかき立てるクリエイティブを作成することが近道です。
ビューアビリティの確認
Media Rating Councilが定めるガイドラインによれば、モバイルディスプレイ広告のインプレッションは、ピクセルと時間に関する一定の基準を満たした場合にのみビューアブル(視認可能)とみなされます。
- ピクセル要件:広告ピクセルの50%以上が表示されていること。
- 時間の要件:ピクセル要件を満たした時間が、広告がレンダリングされてから1秒以上連続していること。
この2つの要件が満たされない場合、広告は「カウント」されません。そのため、自分でも確認を行い、各しきい値を確実に満たすことが不可欠です。
ターゲットを広げ過ぎない
オーディエンスを正確にセグメント化することで、インストール、購入をしたユーザーと、していないユーザーにグループ分けできます。コンバージョンしたユーザーではなく、無料ユーザーに絞って広告を表示するようにしましょう。
一度コンバージョンしたユーザーに対してはメッセージを変更し、リエンゲージメント(英語)を促すターゲティングを行う必要があります。
フリーミアムが主流の市場においてはとりわけ、アプリ内広告は、広告主の主要な収益源となっています。IAAのメリットを活用するには、以下のことを念頭に置いておくといいでしょう。
- 価格モデルの選択には、キャンペーンの目標を反映させる必要があります。つまり、純粋なパフォーマンスを測るならCPAが適しているかもしれませんが、ブランドの認知度を高めたいなら、CPMの方がより適切な場合もあるということです。
- 広告のフォーマットをいくつかテストし、最もエンゲージメントを高められるものを確認しましょう。ただし、ターゲットを広げ過ぎると顧客離れを招き、解約や離脱につながる恐れがあります。
- 価値の高いユーザーだと思って投資した結果、実は不正集団だったということがないよう、不正アクティビティやトレンドには常に注意しましょう。
- キャンペーンの成功要因を把握するには、アプリ内の広告収益とアトリビューションの測定が不可欠です。それには独立的なMMPと協力し、結果を分析してインサイトを得ることが大切なのです。