iOSでの完全な計測:TikTokとAppsFlyerのアドバンスSRN連携
AppsFlyerパフォーマンスインデックスの最新版において、TikTokは複数のカテゴリでトップ10にランクインしました。このインデックスは、業界におけるモバイルメディアソースの決定的なランキングであり、同社がアドネットワークとして目覚ましい成長を遂げていることを明確に示しています。
広告プラットフォームとして勢いを増す中、TikTokはAppsFlyerと提携し、ユーザーのプライバシーを保護しながら計測精度を最大限に高める、アドバンスSRN(セルフレポーティングネットワーク、TikTokではセルフアトリビューションネットワークまたはSANとも呼ばれます)連携を開発しました。これは、広告主にとっていったい何を意味するのでしょうか?すべての答えをここでご確認ください。
ポストiOS 14.5時代のSRNの課題
TikTokの著しい成長は今後も続くと予測されます。そのため、AppsFlyerとTikTokは、計測精度をより高め、キャンペーン成果に対するTikTokの真の貢献度をより可視化して広告主に示すことを目標に、連携の強化に取り組んできました。つまり、クリックによるネットワーク連携から、専用のAPIを介してAppsFlyerにアトリビューションデータを送信するSRN連携への移行です。
SRN連携にはたしかにメリットがあります。しかし一方で、最近のモバイル計測エコシステムの変化を要因として、特にiOSアプリのアトリビューションでは、広告主やアドネットワークに課題も生じています。iOS 14.5以降、広告主は、App Tracking Transparency(ATT)フレームワークに基づき、Appleの広告識別子(IDFA)にアクセスする際にユーザーの同意を得ることが求められています。その結果、IDFAを利用してインストールされたiOSモバイルアプリは、インストール全体の27%に減少し、正確なアトリビューションを確保するうえでの新たな課題となっています。
SKANは、アプリ計測の集計を実行するための代替手段として適していますが、データの鮮度、キャンペーンの内訳、最適化機能の面でまだ十分ではありません。では、ポストATT時代に広告主がiOSキャンペーンを効果的に計測できるようにするために、TikTokとAppsFlyerはどのような支援ができるでしょうか?その答えがアドバンスSRN連携です。
アドバンスSRN:完全な計測、完全なプライバシー
AppsFlyerとTikTokのチームは、iOS14.5の環境においてSRNを導入することの難しさを理解していました。そこで目指したのが、あらゆるタイプのユーザーのプライバシーを保護しながら、インストールをTikTokにアトリビュートし、広告主がLTV(顧客生涯価値)を完全に計測できるようにするソリューションの設計でした。
そして、AppsFlyerチームとTikTokチームの緊密なコラボレーションの結果、市場初のアドバンスSRN連携が誕生しました。ここで考えられるアトリビューションの方法は、大きくまとめて次の2つです。
- 両者(広告配信アプリと広告主アプリ)での同意があるユーザーについては、引き続き通常のSRN連携を介してアトリビューションが行われます。AppsFlyerがTikTokにインストールを通知し、TikTokがアトリビューションの詳細を返信します。
- 両者での同意がないユーザーについては、TikTokからAppsFlyerに送信される広告露出の情報に基づいて、プライバシーに関する制約に従いながら、アトリビューションが行われます(クリックによるネットワークの運用と同様)。
どちらの場合も広告主は、TikTokとのアドバンスSRN連携によるアトリビューション結果を、AppsFlyerプラットフォームで選択したプライバシー設定に従って、プライバシーに配慮しつつ共有できます。
この新しい強力な連携によって、データを保護しながらキャンペーンのパフォーマンスを完全に計測できるようになると、広告主は以下のメリットを得られます。
- 完全なパフォーマンス計測:AppsFlyerのアトリビューションに基づいて、iOSでのTikTokキャンペーンの完全な計測を行うことができます。AppsFlyerのレポートで、キャンペーンのリアルタイムでの詳細や、完全なLTV(顧客生涯価値)計測を確認できます。
- 高度なアトリビューション指標:エンゲージビューやエンゲージクリックなどのエンリッチドエンゲージメントタイプを利用することができ、AppsFlyerとTikTok広告マネージャーで、エンゲージメントタイプごとにルックバック期間の設定を完全にコントロールできます。6秒間の動画視聴に基づくTikTokの新しいタッチポイントであるエンゲージビュースルーアトリビューション(EVTA)もこれに含まれます。
- キャンペーンパフォーマンスの向上:より強力なシグナルがキャンペーンの分析に役立ち、配信が全体的に改善され、長期にわたってより優れた最適化パフォーマンスが実現します。
アドバンスSRN連携により、TikTokと広告主は、AppsFlyerとの連携時にアトリビューションの対象範囲と精度を維持できるとともに、セルフレポーティングネットワークに伴う課題を克服し、ユーザーのプライバシーを確実に保護できます。AppsFlyerは、TikTokのようなパートナーと革新的なソリューションに取り組むことで、あらゆる地域や業界において、信頼できる正確なアトリビューションソースであり続けています。
AppsFlyer、Director of Product、Tal Inbar
アドバンスSRNの成功事例:Cleo AI
アドバンスSRN連携モデルへの移行は、理論上すばらしいだけでなく、実際に、Cleo AIのような広告主に利益をもたらしています。
同社は、AIを搭載した金融アシスタントアプリのTikTokキャンペーンで効果を最適化し、アプリインストールを促進する要因について包括的なインサイトを得ようとしていました。Cleo AIがアドバンスSRN連携に切り替えると、成果をもたらしている要因や、TikTokアプリキャンペーンの実際の貢献度をより正確に把握できるようになり、その結果コンバージョン率が34%向上し、CPA(Cost per action)を46%削減することができました。アドバンスSRN連携により、TikTokがビジネスに与えている影響をより正確に認識し、コンバージョンに貢献しているすべてのタッチポイントを計測することが可能になりました。
アドバンスSRN連携を有効にする方法
TikTokでは、2024年3月にレガシー連携の廃止を予定しているため、切り替えるなら今がそのときです。段階的でスムーズな移行を促進するために、AppsFlyerとTikTokは、データの一貫性と精度を維持するためのシンプルなプロセスを示しています。
仕組みは以下のとおりです。
新しい連携への移行によってアトリビューションデータが失われることがないように、このプロセスにはTikTokによる徹底的なデータ検証の期間が含まれています。すべてのデータが検証されると、TikTokとAppsFlyerは移行を完了し、アドバンスSRN連携が運用可能な状態になります。AppsFlyerは、アドバンスSRNでインストールとイベントのアトリビューションを開始し、広告主は、レガシー連携のコストを切り替えて、新しい連携を使用してコスト、クリック、インプレッション、コンバージョンの計測を開始できます。
詳細についてはこちらの移行ガイドをご覧ください。新しい連携を有効にする方法を詳しく説明した手順や、スムーズにセットアップするためのベストプラクティスなどが掲載されています。また、TikTokとAppsFlyerが共同で開催したオンデマンドウェビナーでは、デモやよくある質問への回答をご覧いただけます。
計測基準の見直し
AppsFlyerとTikTokによる市場初のアドバンスSRN連携は、ユーザーのプライバシーを保護すると同時に、モバイルアプリ向けの最も堅牢で正確なアトリビューションソリューションを広告主に提供します。
しかし、イノベーションはそれだけにとどまりません。AppsFlyer、TikTok、および他の主要なアドネットワークは、先日、ビューとクリックだけでなくそれ以外のエンゲージメントタイプも加わった新しい計測フレームワークの確立を発表しました。このフレームワークをアドバンスSRN連携と組み合わせて活用することで、広告主は、ユーザーがコンバージョンに至る過程を高度なアトリビューション手法によって完全に把握できるようになります。
より優れた計測が実現すると、アドネットワークのシグナルが改善され、結果として、より関連性の高い広告の配信、ひいてはROAS(広告費回収率)の向上やより適切な意思決定につながります。つまり、広告主にとっても、アドネットワークにとっても、そしてユーザーにとってもメリットのあるシナリオといえます。