店舗重視のOMO施策で、アプリの価値の最大化を目指す          お客さまのLTVの向上には、精度の高いアプリ計測が大切

United Arrows様 x opt様事例 - AppsFlyer

約8倍

Webやアプリ広告を経由して店舗購入に至ったROAS (広告費用対効果)

アプリ広告からの店舗購入の貢献度を可視化

AppsFlyer導入による効果

背景:アプリを見てから来店するお客さまが急増している

ユナイテッドアローズは、1989年に創業して以来、35年続く日本のアパレル企業です。従業員数は約3,600名、セレクトショップを全国に約300店舗展開しています。

同社は、現在の中期経営計画の下、3つの主要戦略を推進しています。既存事業、ブランドの強化などの「UA CREATIVITY戦略」、グローバル事業の拡大など「UA MULTI戦略」、そしてOMO(オンラインマージズウィズオフライン)、サプライチェーン強化などを目指す「UA DIGITAL戦略」です。

店舗のほかにオンラインショップも運営している同社では、店舗とオンラインを融合するデジタル戦略であるOMOに力を入れており、OMO本部を設置してデジタルマーケティングによる顧客体験を大切にしています。

同社OMO本部デジタルマーケティング部エグゼクティブマネジャーの佐々木慎朗氏は、自社ECサイト、スマートフォンアプリの開発と、アプリと店舗をつなぐデジタル施策の開発、運用をリードしています。

佐々木氏は次のように話します。「お客さまは、オンラインで購入できる商品だとしても、店舗に行って実際に商品を確かめて購入することの価値が高まっているように感じています。その理由として、コロナ禍では、Webサイトやアプリからのオンライン販売が伸びましたが、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行にともない、店舗営業が通常に戻った現在も、お客さまの多くは、店舗に来る前にアプリで当社の商品をチェックして、店頭で『お気に入り』に登録した商品の画面を見せながら『これを試着したい』とおっしゃるケースが増えているからです」

「もともと、ブランドや業態に合わせた、店舗による優れた購買体験の提供と、店舗スタッフによる丁寧な商品説明に強みを持っている当社は、OMO施策を強化することで、さらに店舗体験を高めることができると考えました。

そのため、2022年の当社ECサイトのリニューアルに合わせて、アプリもリニューアルしました。その際、特に店舗とアプリのつながりを意識してリニューアルに力を入れました。」

課題:店舗とアプリの顧客体験を統合するため、AppsFlyerを活用

2022年のアプリのリニューアルにあたり、佐々木氏のマーケティングチームでは、長期にわたる顧客価値(LTV)の向上を目指し、オンライン(アプリ)とオフライン(店舗)を行き来する顧客体験の設計を行いました。そこでアプリの広告効果計測ツールの検討に入りました。

検討対象の計測ツール(SDK:ソフトウェア開発キット)の1つに、AppsFlyerがありました。佐々木氏は、前職時代からAppsFlyerが世界中で広く使われているツールとして認識しており、アプリのインストール経路と、アプリ内で行われるユーザーの操作(イベント)を紐づけて計測できる機能に期待を寄せていました。

また、アプリのリニューアルのもう1つの目的は、広告配信とアプリの連携でした。この連携により、店舗やWebのユーザーの購買と連動させた広告配信が可能となるため、OMO施策の効果を高めることができると考えました。「店舗では、店舗スタッフがお客さまにとって魅力的と思える商品をお薦めしています。したがって、自身でフォーマルな場面で着る服を探すお客さまに、カジュアルな商品をお薦めすることはありません。しかし、アプリでは、商品を検索しているお客さまに対して、魅力的な商品の広告だけを出すことは、できていませんでした。そのため、AppsFlyerと広告配信サービスとの連携で、それが可能になります」(佐々木氏)

同社では、店舗でアプリ内の会員証を提示して購入したデータをAppsFlyerと連携して、より関連性の高い広告を既存のお客さまに対して訴求できることで、初回購入後以降の2回目購入につなげる仕組みを考えていました。

さらに佐々木氏は、なぜAppsFlyerを選んだかを触れています。

「アプリの計測ツールは、無料のものも含めてさまざまなサービスがありますが、AppsFlyerは、広告主の課題をどうやって解決するかについて考えられた機能を提供しています。それだけでなく、昨今厳しさを増しているアプリ利用者のプライバシーに関する制限についても、対応策を広告主と一緒に考えて、最適解を模索してくれます。結果的に、そうした姿勢が評価されていて、当社の競合を含めた小売業でも利用している企業が非常に多いため、多くの知見が集まっていると感じています」

今回の広告配信とアプリの連携プロジェクトは、広告配信のパートナーとしてオプトが参加しています。ユナイテッドアローズを担当するオプト、アドパフォーマンスコンサルティング1部の津志朱音氏は、次のように話します。

「当社の顧客企業のうち、多くの小売企業は、広告配信とアプリの連携を実現して、細かくデータを見ていくことが理想型だと考えていらっしゃいます。しかし、実現までの工程が非常に複雑なため、実際に実行できている小売企業はほとんどいません。それに対して佐々木さんのチームでは、支援開始当初から、お客さまに寄り添った広告を提供をするため、当社に詳細なデータを共有していただくなど、本気で取り組もうという熱意を感じました。その熱意に私たちも本気でお応えしたいと感じたため、このような深い連携を実現できています」(津志氏)

佐々木氏も「オプトさんは、単なる広告代理店ではなく、私たちのビジネスモデルを理解しようと働きかけてくださり、そのうえで最善策を提案してくださいます。AppsFlyerさんを含めたチーム全員、目指す方向性がそろっていることが、プロジェクトを大きく前進できている要因です」と話します。

効果:アプリ広告からの店舗購入を可視化し、広告費用対効果を最大化を目指す

ユナイテッドアローズでは、AppsFlyerの導入により、店舗の購買データとアプリ上の行動データを統合し、さまざまな効果が得られています。

まず、店舗の購買データを流入経路と紐づけることで、アプリ内では購入しないが店舗来店・購入につながったユーザーの成果を計測できるようになりました。これにより、アプリ利用者が来店して商品を購入するプロセスを可視化できました。これまでは、オンライン広告の費用対効果はオンラインでの行動でしか計測できませんでしたが、AppsFlyerによって、オフラインの行動にどれだけ貢献しているかを計測できるようになりました。

実際に、ユナイテッドアローズが確認している広告の費用対効果(ROAS)は、Webやアプリ広告経由での店舗購入、オンライン共にROASは約8倍の成長を記録しています。

さらに、一定のお客さまがアプリで得た情報をもとに店舗に出向き、購入いただいていることがわかりました。

「Web広告は『駅前でチラシを配るイメージ』、対してアプリ広告は『会員顧客の家のポストに直接チラシを入れるイメージ』」だと話しています。「impやCVRなどのweb広告の専門用語ではなく、会社や業界に合った説明を心がけている。そういう説明に客観的な数字を加えることで、アプリの効果を社内にも理解してもらえると考えています」(佐々木氏)

店舗の購買データとアプリ上の行動データの連携によって、ユナイテッドアローズでは、許諾を得たオンラインとオフラインを行き来するお客さまの動きに関する詳しいデータを得ることができるようになりました。これらの分析により、従来からの強みであった店舗での顧客体験、接客の方法や、ブランドごとのお客さまとの距離感など、店舗施策にも活かしていけると考えています。

今後:不自然さを与えないOMO施策で、お客さまのLTVを最大化を目指す

ユナイテッドアローズでは、現在、店舗の計測全体を1つのAppsFlyerの計測タグで実施していますが、今後は個別の店舗ごとにタグを設定し、個店ごとのデータ収集が可能になる予定です。「当社店舗は社員が多いため、店舗ごとの個性を活かした接客を売りにしています。その営業活動を、本部としても支援していけるようになると思います」(佐々木氏)

さらにその先には、OMO施策をより強化するための打ち手を考えています。アプリ利用者が店舗を訪れたものの、購入に至らなかった場合でも、お客さまをアフターフォローすることが必要です。

「アプリから商品に興味を持ったお客さまが、来店いただき、そこで購入いただいた場合は、店舗に記録が残ります。しかし、来店したものの、商品を購入されずに帰られたお客さまについて、これまでは記録ができず、動きを掴むことができませんでした。そこで、来店のシグナルを何らかの方法で検知し、AppsFlyerのディープリンク機能を使用することで、来店したお客さまに対して、別の商品の広告を配信するなどのアフターフォローが可能になります。店舗とアプリの両方を利用するお客さまは、年間の購買高が高いことがわかっており、アフターフォローが可能になれば高い効果が得られると考えています」(佐々木氏)

しかし、佐々木氏は、「店舗でのお客さまのアプリ利用を正確に計測するため、来店ポイントなどで強制的にアプリを開かせる仕組みは作りたくない」と語ります。

「当社のポリシーの1つに、『スタンダード』という考えがあります。お客さまに満足していただくためには、当社のサービスがいかに自然であるか、お客さまに違和感を与えないものであるか、を重視する基準です。どれだけ効果が期待されていても、お客さまにとって不自然であったり、お客さまに何かを強いたりすることは、決してしません。自然な接客をするなかで、どのように価値を提供できるかを第一に考えて、サービス開発にあたっています。」(佐々木氏)

この『スタンダード』の考え方は、お客さまのLTVを高めるためにもとても重要です。目先の成果を求めた施策を繰り返すだけでなく、お客さまと長期的な関係を築くことが、これからの小売業のマーケティングの重要なポイントになるからです。

ユナイテッドアローズ、オプト、そしてAppsFlyerの強力なコラボレーションは、アプリ時代のOMOの先進事例としてこれからも進化していくことでしょう。

株式会社ユナイテッドアローズ

OMO施策によるお客さまのLTV向上には、アプリ上での行動データの正確な計測が不可欠です。精度の高いツールの使用による客観的な数値に基づく意志決定と、マーケティング実績の豊富なパートナーとの協業によって、オンライン、オフラインを自由に行き来するお客さまの体験価値の向上を目指していきます。

佐々木 慎朗氏 株式会社ユナイテッドアローズ OMO本部 デジタルマーケティング部 エグゼクティブ マネジャー
津志 朱音氏 株式会社オプト アドパフォーマンスコンサルティング1部
Background
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