毎日何百万人ものユーザーがZyngaのゲームをプレイし、エンゲージしています。当社は、大規模で洗練されたパフォーマンスマーケティングを行う数十のゲームを運営しているため、広告エンゲージメントの計測を取り巻く課題をあらゆる角度から観察できるユニークの立場にあります。
そして広告エンゲージメント計測の標準化を目指すこの取り組みが大きな可能性を秘めていると信じているため、AppsFlyerやその他の主要な業界リーダーとともにこの旅に参加できることを嬉しく思っています。これは単に新しく統一された指標を導入するということではなく、透明性を促進し、意思決定者に力を与え、市場パフォーマンスを向上させる道を開くということなのです。そろそろそういう基準を設けてもいい頃でしょう。
統一された広告エンゲージメント:標準化に向けて
進化し続けるデジタル広告の領域において、クリエイティブな広告フォーマットの強力な威力は計り知れません。プレイアブル、スキップ可能、短編動画などの革新的な広告フォーマットは、企業がユーザーとつながる方法に革命をもたらしました。しかし、広告主やユーザーがこうした最先端のフォーマットを受け入れている一方で、エコシステムは遅れをとっており、ユーザーがどれだけ多くの広告に接触しているかという全体像を捉えきれていません。
数年前、私たちはモバイルアプリ広告内のビューとクリックに関する統一された計測基準の必要性について声を上げました。(英語版)当時、クリック数やビュー数といった既存の指標では、進化するモバイルアプリ広告内の多様なニュアンスを持つユーザーエンゲージメント行動を把握することができず、透明性の欠如が課題となっていました。そして業界はこの問題を認識していましたが、なかなか進展しませんでした。
それ以来、広告業界は大きな変貌を遂げ、ユーザーによりインタラクティブで魅力的な体験を提供するさまざまな革新的な広告フォーマットが導入されています。現在の情勢、特に新しいプライバシーを重視する時代においては、広告クリエイティブの品質が重視され、広告主にとって広告エンゲージメントの指標は非常に重要な要素となっています。
そして今では業界の透明性を高めることだけが目的ではなくなっています。広告主は業界全体をより良く発展させていくためにも、拡充された広告エンゲージメントの指標を必要としているのです。より良い計測は、アドネットワークにとってのシグナルを改善しますし、より関連性の高い広告を表示することにも繋がるでしょう。そして広告費回収率(ROAS)が向上し、より正しい意思決定が可能になるのです。このようなフライホイール効果により、より良い計測が業界の発展と成功のサイクルに継続的に反映されます。
この時代において、広告エンゲージメントの指標を標準化することは、もはや1つの選択肢ではなく必要不可欠なのです。
問題の発端
この問題の始まりは、クリックやインプレッションといった概念がウェブ広告から転用されたモバイル広告の初期にまで遡ります。異なるデジタル環境で生まれたこれらの指標は、当初は初歩的なバナー広告でユーザーのインタラクションを計測するのには適していました。しかし、モバイルアプリ広告のエコシステムが進化するにつれ、こうした借り物の指標では不十分であることが次第に明らかになっていき、
指標の制約により一部の広告ネットワークは厳しい立場に追い込まれました。広告主に対して意味のある結果を提供することを追求する中で、特定の「ビュー」が他の「ビュー」よりもはるかに多くのユーザーの意図とエンゲージメントを示しているという厳しい現実に直面しました。
このようなエンゲージメントを単なる「ビュー」(一瞬の露出を意味する比較的弱いシグナル)として過少に表現するか、「クリック」(直接的な反応に関連するより強固なシグナル)として過大に表現するかのジレンマに直面し、一部の広告ネットワークは後者に傾きました。
このような慣行が常態化したことで、広告エンゲージメントの計測に対するより強固で標準化されたアプローチの必要性が高まり、業界が足並みを揃えて広告主と良心的な広告ネットワーク、双方の懸念に対処する必要性が浮き彫りになりました。
Media Rating Council(MRC)やInteractive Advertising Bureau(IAB)といった団体は、ビューアビリティの指標を標準化するために果敢な努力をしてきました。しかし、そういった提言もユニバーサルなものとしては採用されておらず、エコシステムは今も混乱しており足並みが揃っていません。
先頭を行くこと
業界が矛盾した定義のジャングルに細分化されていくのを許すのではなく、弊社は積極的なアプローチを取ろうとしています。
私たちは、TikTok、Snap、Unity、Liftoff、Moloco、Digital Turbine、Chartboostといった業界を代表する企業と協力し、広告エンゲージメントの計測に革命をもたらす包括的な新規格を設計してきました。
私たちは、今こそ複雑さを増すのではなく明確さをもたらす時だと信じており、広告業界が広告エンゲージメントに関する明確で透明性のある標準化されたビジョンを持って前進することを保証する最前線にいます。
今回、私たちはさまざまな指標の定義を徹底的に検討し、業界の専門家やお客様と議論し、社内で厳密な検討を行うことから始めました。そして、計測に一貫性がないことが明らかになりました。多くの広告主は様々なバリエーションに気づいておらず、仲介役となった広告ネットワークさえ明らかでないことがあります。こうした中で、ユニバーサルな計測規格の必要性は否定できないものとなりました。
その結果、計測に一貫性がないことが明らかになりました。多くの広告主はこのようなバリエーションに気づいておらず、仲介役であるアドネットワークでさえ明確でないことがあります。ユニバーサルな規格の必要性は否定できないものとなりました。
私たちは共に、まもなく導入される一連の定性的エンゲージメントのフレームワーク、アトリビューション・ロジック、連携のワークフローの定義を進めています。このマイルストーンは、業界の透明性と信頼性のベンチマークとなるものです。
私たちが確立しようとしているスタンダードは固定的なものではなく、時間の経過とともに進化していくでしょう。新しいクリエイティブ・フォーマットが導入され、スタンダードがより広く採用され、現場からのフィードバックが寄せられるにつれ、私たちはスタンダードを改良・強化し、適切かつ効果的であり続け、業界の変化に対応できるようにすることを約束します。今回のアップデートは、広告主へ最も効果的で将来性のある広告エンゲージメント計測ツールを提供することを目的とした、継続的な改善、適応、進化の道のりです。
新しいスタンダードで計測するエンゲージメントの種類をご理解いただくために、現在議論されているエンゲージメントの種類を2つご紹介します:
エンゲージビュー
エンゲージビューは、意味のあるインタラクションが行われたときに発生します。例えば、ユーザーがスキップ可能な動画広告を最低X秒以上(具体的な時間は規格で紹介)視聴した場合や、動画がX秒未満で再生完了した場合などです。この定義には、動画広告やSKOverlayなど、さまざまなシナリオが含まれます。
エンゲージクリック
エンゲージクリックとは、ユーザーをアプリストアにリダイレクトしたりアプリを起動させるものではなく、クリックした後も同じ画面内にユーザーが残り、広告との継続的なインタラクションが行われるものです。例としては、ランディングページへのリダイレクト、いいね、コメント、シェアなどのソーシャルエンゲージメント、プレイアブル広告などがあります。
協力体制の構築へ
これから先必要なのは、業界の垣根を越えた協力体制です。AppsFlyerは、先述したパートナーたちと共に、他のパートナーにも議論への参加を呼びかけ、広告エンゲージメント計測の未来を定義し、ユニバーサルな採用を確立するために協力していきます。そして、私たちは広告エコシステムに透明性をもたらし、包括的な計測で広告主に力を与えより効果的な広告戦略とROIの向上への道を開くことを望んでいます。
広告のエンゲージメントをより細かい粒度で把握することは、パフォーマンスを評価する上でも非常に重要であり、当社によるエンゲージメントの拡充は業界にとっても重要な一歩となるでしょう。私たちは、エコシステムにポジティブな変化をもたらすためにパートナーと革新を続けていくことを楽しみにしています。
Moloco社 Co-founder and CEO, Ikkjin Ahn氏
私たちは共に、業界で最も透明性の低い分野のひとつに光を当てることを約束します。
今こそ進化し、標準化し、力を与える時です。広告エンゲージメント計測の未来はここにあります。