SKAdNetworkのポストバックに関する広告主向けのアップデート
2021年6月7日(日本時間2:00AM)にAppleの開発者向けイベント「WWDC 2021」が開催され、iOSのプライバシーに関するアップデートがいくつか紹介されました。そのなかで、アプリインストールにひも付いた成果があった場合、SKAdNetworkのポストバックが広告主にも送られるようになる(英語)という重大な発表がありました。いままでポストバックはアドネックワークにしか送られておらず、ポストバックを受け取ったアドネットワークから広告主(または広告主の代わりにMMP)へ送られる構図でした。
今回のアップデートはこれと言って目立つものではないかもしれませんが、SKAdNetworkを正しい方向へ導いていくうえで重要なステップとなります。アプリのインストールとインストール後のイベントに関するデータを誰が所有するべきか、ビジネスおよびプライバシーの問題を一部解消することにつながります。
実は、アドネットワークを介さずにポストバックを直接受け取れるようにしてほしい、という声は前々からエコシステム内で上がっていました。昨年SKAdNetworkがアトリビューション計測の手法として再び紹介された際、Appsflyerが懸念していた問題のひとつでもありました。
広告主は自分たちでデータを管理したい
昨年の12月末に広告主に対して「SKAdNetworkのポストバックは誰が受け取るべきだと思うか」とたずねたところ、74.3%が広告主(またはMMP)と回答。広告主がポストバックの受け取り主は自分たちであるべきだと強く感じていることは明らかでした。
AppsFlyerではこの一年、データの共有方法や共有先など広告主が管理できる範囲を広げるためにプライバシー保護の改善に取り組んできました。今回のAppleによるアナウンスはとても喜ばしいことで、データの所有権を広告主に与えることになります。
昨年6月以来、Appleは確実にSKAdNetworkの改善をおこなってきており、今後もSKAdNetworkがどのようにアップグレードしていくかAppsFlyerも楽しみにしています。
AppsFlyerでiOS 15の準備を
今回のアップデートが反映されるのはiOS 15からで、iOS 15のベータ版はすでにリリースされています。iOS 15が一般リリースされたときに備えて、早めにベータ版を使ってテストしておくことをおすすめします。
AppsFlyerが提供しているSK360ソリューションは、従来のAppsFlyerのアトリビューション計測とあわせてSKAdNetworkの広告効果計測をサポートしています。
広告主は、アプリの「Property List」エディターから新しくエンドポイント “https://www.appsflyer-skadnetwork.com” を追加してSKAdNetworkを管理できます。
AppsFlyerが提供できること:
- コンバージョン値のロジックを設計、テスト、管理、最適化
- アドネットワークから報告されたポストバックを検証
- アドネットワークのキャンペーン名、広告セット名、広告名をSKAdNetworkから報告されたキャンペーンとマッピング
- コスト、クリック、インプレッションなどのアプリがインストールされる前のキャンペーンデータを連携
- データはSKAdNetworkダッシュボードとSKAdNetwork APIから確認可能
- SKAdNetworkの不正を防止&ブロック
[近日公開] SKAdNetworkポストバックをリアルタイムで試行
近日中に、ポストバックをリアルタイムで受け取れるテスト環境およびテストアカウントをAppsFlyerダッシュボードにて提供する予定です。
このテスト環境では、エンドユーザーの端末からAppsFlyerのエンドポイントに届いたSKAdNetworkのポストバックを確認できるようになります。
お楽しみに!