不安定な時期にモバイルマーケターがすべき5つのこと
誰もが知っているように、世界は大きく変化しています。これからの数か月、数年で、今の状況がどのように変化していくかを誰もが注目しています。今まで経験したことのない時代に足を踏み入れ、世界的なパンデミックにより生じた生活への変化を受け入れようとしながら、多くの人が「どうすれば、この状況を乗り越えられるのか」と考えています。
ブランドも、同じ質問を自問しています。多くのブランドが危機管理に対し準備してきましたが、この規模の世界的パンデミックは想定の範囲を超えていたのが実情です。ユーザーとの関係を失わないために、ブランドは戦略をリアルタイムで立て直し、進化させていく必要があります。
出典:AppsFlyer調査
しかし、不安定な時期だからこそ明確になることもあります。多くの企業が、ユーザー獲得予算の見直しを行う一方、ユーザー獲得の代わりにリテンションとブランドアウェアネス(ブランドの認知度)に重点を置くようになっていることがわかりました。
迅速な対応を行った企業は、ユーザーにとって価値のある存在であり続けるために、そしてユーザーを失わないために、ビジネスの注力点を変化させています。たとえば、ライドシェア(自動車の相乗り)の企業は、食品や医薬品を提供するプラットフォームに転換し、増大する需要に応えています。
ブランドは、「ニューノーマル(新常態)」に適応していくことで、ユーザーからの見え方を変化させ、成長の新たな可能性を切り拓くことができます。
ここでは、この困難な時期を切り抜け成功するためにブランドが行うべき5つのことを紹介します。
1. 積極的なコミュニケーション:ユーザーにとって本当に重要なことにメッセージングをシフトさせ、共感と理解を持ってユーザーにアプローチ
近頃、ブランドが情報を発信することが多くなりましたが、聞いてもらえる情報を発信することと、不要なノイズを発生させることは紙一重です。生活がデジタルに移行するスピードが加速し、勤務場所を自宅に制限され在宅勤務をするようになったことで、私たちは貪欲に情報を求めるようになり、ますますつながりの維持を必要とするようになっています。状況の変化に合わせながら世界中のオーディエンスに対するメッセージングとコンテンツを速いペースで更新していく必要があるブランドにとって、この状況は大きな課題です。
では、ここでブランドには何ができるでしょうか。まずは、オウンドメディアを通じて既存のタッチポイントを活用することから始めます。アプリとウェブサイトのコンテンツを、状況に合ったものに更新することで、ブランドが現状に対しどう対処しているかをユーザーに知らせることができます。支援やアドバイスを提供し共感を示しましょう。パンデミックがブランドにどのような影響を及ぼしたかをユーザーに知らせることで、どのような対応をブランドがとっているのかを疑問に思われないようにします。
パンデミック時のブランドによるユーザーとのコミュニケーション方法
2. 信頼できるデータに頼る:ユーザー行動の新たなトレンドを分析して対応
進行中のパンデミックにより、世界中の人々が新しい現実を受け入れ、日常を変化させることを余儀なくされています。その結果、人々は複数のアクティビティにスマートフォンを使用し、新しいアプリを探すようになりました。ユーザーによるアプリの利用方法にもパンデミックによる影響が現れており、ソーシャルアプリに費やされる時間が増加し、ニュースがよく読まれるようになりました。そして、スポーツや旅行のアプリは、ほぼ完全に放棄された状態になっています。
広告主は、マーケティング効率を維持するために、すぐに決断する必要があります。そして今こそ、アトリビューションデータを最大限に活用する時です。自分達のマーケティング活動の長所を理解し、広告費のROIを最大限に引き出しましょう。 マーケティングデータは自由に利用できるようにしてください。たとえば、セグメンテーションツールを使って、特定セグメントのユーザー行動が時間とともにどう変化したかを示すコホートレポートを作成したり、ローデータを利用してターゲティングを正確に絞り込んだリターゲティングキャンペーンを作成したりできるようにします。
COVID-19の前後で、オーガニックと非オーガニックの両方のインストール数が増加の傾向を示している
3. リテンションにフォーカス:無駄のない意味のあるエクスペリエンスで、既存のユーザーとの関係を強化
最近のマーケターの関心事は、ユーザーリテンションです。ほとんどのビジネスにとって新規顧客の獲得は、通常の状況でも非常に困難であり、パンデミックであればなおさらです。
ポストコロナ時代にも成長を持続できるようにブランドは計画を立てる必要があります。それには、既存のユーザーに投資することが最も確実な方法です。
新規ユーザーの獲得は、既存ユーザーに販売するよりも5〜10倍(!)の費用がかかります。そして、アプリを初めて利用する新規ユーザーよりも、既存ユーザーが平均で67%多くアプリで支出することがわかっています。
当然のことながら、カスタマーエクスペリエンスの質によって、顧客のリテンションは変化します。リテンションの向上のためにブランドができることは、無料配送や無料トライアルの実施、返品可能期間の延長、支援キャンペーン、24時間以内の配送など、多くあります。
確かなことは、最初にマーケターがとるべきアプローチは、ユーザーがこの期間中にどのように考え何を感じているかを正確に理解することです。
ユーザーは、こういった期間に自分がどう扱われたかを忘れません。そして、その結果を左右するのがマーケターの手腕になります。
すべての年代とカテゴリのユーザーへのアプローチ – ブランドの認知度を高め、プラットフォームを介した支援を実施
4. 効果的なリマーケティング戦略を構築:ユーザー属性とデータポイントを利用して、きめ細かいセグメントを作成し、適切な方法でユーザーにリーチ
この記事を読んだ後でも、遅くはありません。いまだに多くの人が家の中にとどまっています。ブランドからのメッセージを受け取り理解する時間と余裕があります。しかし、ユーザーの注意を引くためには、意味のあるメッセージングを行わなければなりません。
それぞれのユーザーセグメントグループに対し的確なメッセージングを行うには、オーディエンスをできるだけ細かくセグメンテーションする必要があります。これには、ユーザー属性とエンゲージメント行動をもとに詳細な情報をセグメンテーションに組み入れなければなりません。なぜこれが重要なのかというと、リターゲティングが正確であればリテンション率がほぼ倍増することを、AppsFlyerのデータが示しているからです(下図参照)。
きめ細かなリターゲティングを行うためのオーディエンスのセグメンテーションには、実際の利用状況や細かなイベント属性に基づき異なるセグメントを構築できるツールが必要です。これらのツールは、一人でキャンペーン全体を管理できるくらいに操作がシンプルで、スタック全体を連携できるくらいに高機能でなければなりません。
早期にリターゲティングを採用し、結果を出しているショッピング企業
5. エンゲージメントを2倍に:シームレスなクロスプラットフォームのエクスペリエンスを提供してユーザーを維持
デジタルエクスペリエンスは、かつてないほど重要になっています。ブランドの活動がデジタルにシフトするにつれて、ユーザーとのコミュニケーションチャネルと使用頻度が増加しています。メール、ウェブ、ソーシャル、SMSなど、アプリにユーザーを誘導するチャネルはユーザージャーニーにおいて重要であり、すべてのデジタルチャネルからアプリへの円滑な移行を確実にすることも同様に重要です。
ユーザージャーニーでの摩擦を避けるには、ユーザーのニーズを受け入れユーザーエクスペリエンスをスムーズにすることが重要です。たとえば、ディープリンクを利用すればアプリへのフローが簡単になります。特に注文の変更や払い戻しの処理では、ディープリンクがあれば便利です。これにより、ユーザージャーニーがどこからスタートしても、ユーザーはセルフサービスで必要なものに速く手が届くようになります。
モバイルウェブバナーとプッシュ通知を利用して、購入内容をわかりやすくユーザーに提示することができる
結論:マーケティングを止めてはいけない
変化の激しい時期です。多くの企業は、この危機の影響で、マーケティング予算や広告費の凍結や撤回を行っています。理解できる動きではありますが、マーケターは現在の状況をチャンスとして捉え、長期的に考える必要があります。この危機を脱した時にビジネスをさらに成長させるために、企業はクリエイティブなアプローチをとり、クライアントに価値を提供し、矛盾のないメッセージングを続ける必要があります。
AppsFlyerは、この目標をマーケターが達成できるよう支援したいと考え、プラットフォームを通じて、お客様により多くのインサイトと価値を継続的に提供していきます。新機能リリースも予定しています、ぜひご期待ください。そして、なにより健康で安全にお過ごしください。