暗号資産技術によるお金の民主化を目指しアプリ利用を促進、広告媒体の最適化で獲得拡大を図る
背景:暗号資産技術によるお金の民主化を目指し、国内最大級の取引所サービスを提供
暗号資産市場は2020年以降、急速に投資市場としての環境が整備されています。北米を中心として暗号資産関連のファンドや資産管理機能の構築、市場指数が設定されるなどしたため、機関投資家の参入が相次ぎました。また2021年にはNFT(Non-Fungible Token)をはじめ、Web3の登場によって暗号資産の利用価値が高まり、個人投資家の流入が加速しています。
国内最大級の暗号資産取引所を運営するビットバンク株式会社で、グロース部 部長を務める呉永昶氏は、暗号資産市場について次のように語ります。「当社が取引所事業を開始した2017年当時は、暗号資産はまだ一部のマニアが取引する対象でした。そこから当社は、暗号資産技術によるお金の民主化を目指し、取り組みを続けてきました」
ビットバンクは、他社が主に提供している暗号資産の販売所モデルに加え、同社は取り扱っている全ての暗号資産に対して流動性の高い取引所モデルを提供しており、販売所モデルより少ない取引手数料で暗号資産の売買を可能にしています。
「単に暗号資産を保有するだけでなく、株式やFX、投資信託などの投資経験がある個人投資家の方に向けて、暗号資産への疑問を解消し、安心して取引していただける環境を整えています」と呉氏は語ります。
課題: Web広告からのアプリダウンロードを増やしたい
ビットバンクでは、暗号資産市場の広がりを受け、暗号資産投資初心者のお客様に対する取り込み(新規口座開設)を強化しています。特に、スマートフォンユーザーが手軽に暗号資産の取引所取引を行うことができるアプリの機能強化と、アプリ利用者の獲得に力を入れています。
アプリのダウンロードと、新規口座開設者を獲得するためのマーケティング施策は、2つのグループに対して実施しています。まず、すでに暗号資産の取引をしたいと決めているユーザーに向けては、iOS、およびAndroidのアプリストアへ直接誘導するアプリ広告を展開。
そしてもう1つのターゲットは、暗号資産についてWebで調べているユーザーです。こちらの層へは検索連動型のWeb広告を実施し、同社のWebサイトのラインディングページへ誘導します。そこで暗号資産とビットバンクへの理解を深めてからアプリのダウンロードを促すことで、暗号資産への敷居を下げ、安心して投資をスタートしてもらうことを狙っています。
後者の場合、広告効果を検証するには、Web広告からランディングページ経由でアプリストアに向かうユーザーを一気通貫で計測するツールが必要でした。同社で従来使っていた計測ツールではその機能が十分に使えず、他の機能も活用できていなかったこともあって、呉氏のチームではゼロベースで新たなツールの検討を開始しました。
選定候補は、3つのツールに絞られました。大きな課題の1つは、iOSが採用するSKAdNetworkへの対応でした。「SKADの仕組み、計測設計や計測データに対する考え方は、いずれも今までの広告計測の概念と異なっていたため、理解するのに時間がかかりました。そうした中で、AppsFlyerの担当者の説明、およびオンラインセミナーの実施は、私自身を含めた当社のSKADに対する理解および運用にとって、大きな助けとなりました」と呉氏は話します。
AppsFlyerはSKAdNetworkへの対応が容易で、さらに全体的なツールの使い勝手、将来的な拡張性が高いことなどもわかり、同社では2021年10月にAppsFlyerの採用を決定しました。AppsFlyerは、海外ではアプリ計測の分野で圧倒的なシェアを獲得していることも安心感につながったと、呉氏は語ります。
効果:Web広告効果の可視化と社内共有が進み、正確な予算配分に寄与
ビットバンクでは、AppsFlyerのスマートスクリプトを使い、新規口座開設の獲得を成果指標として運用しています。Web広告を出稿したメディアごと、広告のクリエーティブごとに、アプリのダウンロード数が可視化できるため、広告の最適化に向けた検討が可能となりました。
呉氏は、導入の効果について次のように語ります。「今までは、自社サイト経由のアプリのダウンロードに対して、Web広告の効果を過小評価していました。そこを正確に見える化して、正しい広告の評価をしたいと考えていました。実際にAppsFlyerを導入してわかったことは、Web広告から入ってきたユーザーがアプリのダウンロードに至った貢献度は、想定していたよりも大きいものでした」
また、今後AppsFlyerのAPIを利用し、自社開発の業績ダッシュボード内のデータ取り出しを予定しています。これによって、企業全体の業績管理と同一の画面内で、アプリの新規口座開設の状況を可視化できるようになります。「アプリの利用状況は、社内のさまざまな部署の人が関心を持っています。しかし、AppsFlyerのアカウントを全員分発行するのはやや煩雑でしたので、API接続で対応することにしました。」と呉氏は語ります。
今後: お客様のLTV可視化によって、広告予算の最適化を進めたい
呉氏は、これからもアプリのへの誘導を強化していくために、AppsFlyerの利用度を高めていきたいと語ります。「今後は、口座開設後のお客様が入金して、実際に取引をしているところまで可視化していくことで、広告ごとにお客様の生涯価値(LTV)がどうなるのかを検証していきたいと考えています。AppsFlyerには、まだ当社が使い切れていない機能がたくさんあります。アプリをベースとする広告プロモーションは今よりさらに重要となり、そのプロモーションの評価軸としてAppsFlyerを活用していきたいと考えています」
暗号資産技術によるお金の民主化を目指し、アプリの利用を推進するビットバンクにとって、AppsFlyerは手放すことができないツールとなったようです。
”機能と扱いやすさ、グローバルのシェアなど総合的に判断して、AppsFlyerの導入を決めました。当社にとって、広告媒体の配信効果を正しく知るために不可欠なツールです。”
ビットバンク株式会社 グロース部 部長 呉永昶氏