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デバイスID

デバイスIDは、数字と文字からなる一意の匿名化された文字列で、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチなど)といった単一のモバイルデバイスを識別するものです。

デバイスIDとは

 
 
 
 
デバイスIDの動画
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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デバイスIDは、特定のモバイルデバイスにひも付けられた一意の識別子です。ユーザーの名前、メールアドレス、住所、クレジットカード番号など、個人を特定できる情報(PII)は一切含まれていないため、匿名性が高いという特徴があります。 

以前、マーケターやデベロッパーはデバイスにインストールされたアプリからデバイスIDを取得できたため、ユーザーの個人情報にアクセスすることなくキャンペーンやアプリ内のアクティビティを計測できていました。

しかし、AppleのApp Tracking Transparency(ATT)フレームワークが導入されたことで、アプリ所有者はAppleユーザーのデバイスIDにアクセスする許可を得なければならなくなりました。プライバシーファーストへの移行により、キャンペーンを計測し最適化したいマーケターは難しいかじ取りを迫られています。個々のユーザーやデバイスに関するデータが少なくなっているため、集約データの重要性が高まっています。これについては後述します。  

デバイスIDの種類

デバイスIDは大きく分けて2種類あります。AppleではID for Advertisers(IDFA)を使用し、AndroidではGoogle Advertiser ID(GAID)を使用します。これらはいずれも、ユーザーのアクションを広告キャンペーン、インストール、アプリ内アクティビティと結びつける働きをします。昨今大きな変更があり、Appleデバイスでは、マーケターとアプリ所有者はユーザーがオプトインした場合にのみIDFAにアクセスできるようになりました。 

AppleのIDFAは、8文字、ダッシュ、4文字(3セット)で構成されます。アルファベットはすべて大文字です。具体例をご紹介しましょう。

デバイスID:AppleのIDFAの例

GAIDもフォーマットは同じですが、以下のように小文字を使います。

デバイスID:AndroidのGAIDの例

デバイスIDの用途

デバイスIDは、マーケティング活動の貢献度を測り、広告のエンゲージメントからインストール、アプリ内イベントまでのユーザージャーニーをマッピングするための重要なツールです。使い方は以下のとおりです。

マーケターは、決定的アトリビューションと呼ばれる手法を使って、複数のチャネルやインタラクションにわたりユーザーのアクションをトラッキングできます。各インタラクションとデバイスIDを照合することで、ユーザーの行動を詳細かつ正確に把握できます。 

  • デバイスIDにより、マーケターはユーザーの行動や嗜好にもとづいて関連性の高い広告やサービスを提供し、ユーザー体験をパーソナライズできます。 
  • デバイスの種類や使用パターンなどによってユーザーをセグメント化し、キャンペーンのターゲティングをより明確にできます。
  • アプリ内のイベントデータを収集することで、アプリ所有者はユーザーのエンゲージメントの高さをより良く理解できます。ユーザーがいつ、どこで、なぜそのようにアプリと関わっているのかをピンポイントで特定し、ある時点でユーザーが離脱するかどうかや、ファネルを下っていき収益を生み出すロイヤルユーザーになるかどうかなどを判断できます。

仕組み

デバイスIDは、インストールされたアプリの初回起動時に取得されます(上述したように、Appleデバイスでは、ユーザーがトラッキングに同意した場合にのみ可能です)。

デバイスIDの仕組み

デバイスIDはアトリビューション目的で使用できます。アプリの初回起動後、インストールを計測して、起動前のアクティビティと結びつけられます。 

アプリインストールのアトリビューションを例に考えてみましょう。 

  1. ユーザーはアプリの広告をクリックし、該当するアプリストアに移動してダウンロードします。 
  2. アプリがインストールされ、初めて起動されると、アトリビューションSDK(ソフトウェア開発キット)というメカニズムが起動し、インストールが記録されます。次に、データベースから一致するクリックやビューのIDが検索されます。 
  3. SDKによりアトリビューション期間内で一致するデータが検出された場合、その広告がユーザーにアプリのインストールを促したとみなされます。 

デバイスIDの確認方法

AndroidデバイスでもAppleデバイスでも、デバイスIDを確認するのは簡単です。 

Androidでは、スマートフォンのキーパッドを開き、*#*#8255#*#*と入力します。最後の文字を入力すると、GTalk Service Monitorがポップアップ表示され、デバイスIDを確認できます。

デバイスIDの確認方法

Appleデバイスでは、App Storeから「My Device ID by AppsFlyer」をダウンロードし、デバイスIDを検出できます。

プライバシーをめぐる変更の影響

iOS14のリリース以来、ユーザーのプライバシーにますます焦点が当てられるようになり、Appleはアプリに対して、IDFAの取得に際しユーザーに同意を得ることを義務づけました。 

以前であれば、IDFAを共有したくないAppleユーザーは、LAT(広告トラッキング制限)を有効にして、トラッキングをオプトアウトする必要がありました。一方、現行のATTでは、ユーザーがオプトインを選択できる仕組みになっています。  

トラッキングをオプトインするユーザーの割合はアプリの種類によっても異なりますが、2022年の数字によると、オプトイン率は世界平均で46%です。マーケティング目的でトラッキングできないデバイスがかなりの割合で残っています。ただ、マーケターはあきらめる必要はありません。新しい技術ソリューションによって、ユーザーのプライバシーを損なうことなくキャンペーンの成功を計測できるようになりました。  

デバイスIDを使う(あるいは使わない)計測の未来

デバイスレベルのデータが不足している今、マーケターはiOSキャンペーンに関する情報源として集約データに目を向けています。このアプローチでは、データはユーザーのグループ全体で統合され、個人のアクションではなく、より広範な傾向を明らかにします。   

マーケターがプライバシーファーストの現状に適応しようとする中で、マーケティング活動のアトリビューションを支援するさまざまな代替手法が登場しています。

SKAdNetwork 

Appleのプライバシー重視のフレームワークで、ユーザーの匿名性を保護しながら、アプリインストールとキャンペーンパフォーマンスを計測することを目的としています。 

SKAdNetworkでは集約されたキャンペーンデータにもとづくソリューションを利用できますが、さまざまな制限があり、複雑です。マーケターはそれらを乗り越える必要があります。たとえば、ポストバック(アクティビティに関する報告)は遅延し、回数も限られており、ユーザージャーニーの初期段階に集中しています。そのため、生涯価値やリエンゲージメント活動の計測が困難です。 

モバイル計測パートナー(MMP)と連携することで、SKAdNetworkからより多くのものを引き出せます。MMPはデータを安全に取り扱い、詳細な分析とインサイトを提供します。  

機械学習と予測分析

機械学習アルゴリズムでユーザーの行動傾向を把握することで、そのユーザーが長期的にもたらす可能性がある価値や、キャンペーンが成功する可能性について予測することができます。 

確率論的モデリングは、集約データにもとづいて予測を行い、ユーザーのプライバシーを保護しながら行動傾向を明らかにできます。これらの手法と機械学習を組み合わせることで、強力かつ正確にユーザーの行動を理解し、キャンペーンの成否を早期に予測できるようになります。  

インクリメンタリティ

インクリメンタルテストは、コントロールとテストのメカニズムを用いて、マーケティング施策の真の価値を評価します。特に、業績全体のうちキャンペーンの成果にあたる部分と、オーガニックに発生した部分を把握できます。 

このようなインテリジェンスが加わることで、自信を持ってキャンペーンに取り組めます。 

Web-to-appフロー

Web-to-appフローは、ユーザーをウェブページから関連アプリに誘導するものです。 

iOS14.5では、Web-to-appフローを利用することで、マーケターはIDFAに頼らずに点と点を結べます。ジャーニーにはアドネットワークやオウンドメディアも含まれており、ファーストパーティーデータを利用して体験を最適化できるためです。 

重要なポイント

デバイスIDは、モバイルエコシステムにおける計測と最適化の中心的存在でしたが、プライバシーファーストへの移行により、アプリマーケターは新しいソリューションの検討を迫られています。  

  1. デバイスIDは、特定のモバイルデバイスにひも付けられた一意の識別子です。2つの種類があります。AppleのIDFAとGoogleのGAIDです。 
  2. 従来、デバイスIDはユーザーとアクションのマッチングを図るうえで非常に正確で信頼できる要素の1つであり、マーケターやアトリビューションにとって重要な計測対象でした。 
  3. デバイスIDは、マーケターがユーザージャーニーをマッピングし、ユーザーの嗜好を理解するのに役立ちます。詳細なセグメンテーション、パーソナライゼーション、行動分析も可能です。 
  4. AppleのATTプライバシーフレームワークのもとでは、アプリ所有者がiOSデバイスのIDFAにアクセスするには、ユーザーに使用許可を求めなければなりません。 
  5. デバイスレベルのデータが限られる中、マーケターは集約データに目を向け、プライバシーを保護しながらキャンペーンを計測、アトリビュート、最適化する方法を探っています。AppleのSKAdNetworkはアトリビューションに役立ちますが、課題もあります。その他のソリューションには、機械学習、インクリメンタリティ、Web-to-appフローなどがあります。 
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