業界初、CPAフラウド(不正)ダッシュボードをリリース
私たちは、ここ数年間で広告主と彼らのキャンペーン戦略が変化していることに気づきました。厳密なCPI(Cost per Install-インストールごとのコスト)ベースのキャンペーンからCPIとCPA(Cost per Action – アクションごとのコスト)の組み合わせに移行し、一部の広告主はすでにCPAのみに依存するようになっているのです。
キャンペーンのパフォーマンスは、もはやユーザーのクリックからインストールへのコンバージョン率だけでは測れないため、この移行はとても理にかなっています。また、ユーザーのLTV(Life Time Value – 顧客生涯価値)は長い間、ユーザー獲得の成功の尺度となってきましたが、アプリ内の深いデータがなければLTVを決定することはできません。
ユーザージャーニー内の様々なポイントを計測し、それに応じてパブリッシャーに報酬を与えることは様々な利点が伴う一方、不正広告のリスクは避けられません。 アプリ内およびCPAの不正についてはAppsFlyerによって長い間問題提起されており、業界の多くの人によって現在進行中の不正広告との戦いにおける次の戦場として認識されています。
AppsFlyerが最近発表した「モバイル広告不正グローバル調査レポート:2020年版」では、かつてないレベルに達したアプリ内不正広告の厳しい状況を明らかにしています。一部のアプリ内およびCPA不正のリスクが高いアプリカテゴリーでは、当然ながらアプリ内のデータ分析や計測も最も多く採用しているカテゴリーになります。
これらの統計は、CPAキャンペーンが不正広告防止に役立つという一般的な理解との齟齬を浮き彫りにしています。なぜなら、CPAキャンペーンはあるレベルまでは不正を軽減するのに役立つ新しいデータ層を提供してきましたが、現在ではそれ自体が最新の攻撃の標的にされているからです。
仕組みは単純です:不正業者はお金を追いかけていて、今、お金はインストールを超えたところに存在している、ということです。
アプリ内アクティビティの計測は、次の2つの主な目的に使用できます:
- アプリ全体を通した重要なポイントでユーザーのアクティビティを計測し、アプリの機能からユーザーのLTVまで、すべての判断材料として活用します。
- アプリ内の特定のチェックポイントに到達したユーザーへ配信したメディアソースに報酬を与えます:いわゆるCPAです。
金銭的価値に直接関係するのは後者ですが、両方の目的とも、特定のメディアチャンネルの価値に対する広告主の見方に影響を与えるよう操作することができます。
アプリ内のイベントログの偽装は、インストールレベルでの不正を隠蔽するために(その不正インストールの)付加価値について誤ったイメージを創り出すことができます。なぜなら、ユーザーの正当性を判断するために、イベントへのエンゲージメント情報が活用されることがあるためです。
CPAイベントをレビューする場合は、リスクがさらに高くなります。CPAレートはより高い付加価値とユーザー品質を反映するため、対応するCPIレートの10倍を超えることも珍しくありません。熟練した不正業者は、CPA不正を1回成功させれば、10回またはそれ以上のインストールからの利益を越えられるという簡単な計算を行います。これには高度な技術的能力が必要ですが、その代わりに少ない成功数で同じ利益を得ることができます。
不正業者はより少ないアクションを必要とするため、不正防止ソリューションから不要な注意を引く可能性を低めることができます。通常のCPA活動によってのみメディアの品質を計測している一部の広告主は、(賢い)不正業者を高品質なメディアソースと誤認識することさえあります。
これは、アプリ内計測の取り組みをこれらの業界がやめるべきだということを意味しているのでしょうか?
もちろん、それは違います。
なぜならアプリ内計測の利点は、新しい形の不正によってもたらされる不利益を遥かに上回るからです。
ただし、それにはアプリ内データに基づいた計測、確認、行動するための新しい方法論が必要となります。広告主はもう、表面的なデータだけを見て深い結論を引き出すことはできないのです。
アプリ内データを深掘りする
不正と効率的に戦う唯一の方法は、データを使用することです。データが多ければ多いほど、攻撃者の場所、ボリューム、手法に関する情報、そして最も重要なこととして、それに対処する方法を理解するための準備が整います。
アプリ内およびCPA不正のデータは、以前からAppsFlyerのProtect360ソリューションのローデータレポートを通じて見れるようになっていました。そしてこの度、Protect360の不正防止ソリューションへの最新機能が加わりました:アプリ内アクティビティダッシュボードです。
この新しいアプリ内フラウドアクティビティダッシュボードは、アプリ内不正アクティビティとインストール不正を分離します。この二つのグループ分けは基本的なステップとして非常に重要であり、異なる方法で分析および処理する必要があります。
この、業界初の専用ダッシュボードは、アプリ内の不正調査作業を大幅に簡素化します。リアルタイムまたはポストアトリビューションでブロックされたすべてのアプリ内アクティビティとCPAアクティビティを可視化できるようになります。
時間とお金の節約
専用の不正オーバービューウィジェットは、現在のアプリ内不正活動の一般的なステータスを可視化します。具体的には、特定された不正イベントの全体的なボリュームと、その金額(ブロックすることで節約できた金額)見積りの両方が表示されます。
もちろん、推定の節約額は、広告主によりAppsFlyerに提供される情報によって精度が異なります。イベントごとのCPA評価が正確であるほど、見積りはより正確になります。
不正のトレンドチャートは、アプリ内の不正行為を、リアルタイムのブロックと、定義された時間枠のポストアトリビューション(英語)検出によって分類します。ポストアトリビューション検出は、インストールアトリビューションだけでなく、アプリ内アクティビティにも関連します。
上記のように、一部の不正業者は、インストールCPIを無視して、アプリ内アクティビティに意図的に目を向けます。この内訳は、高度な不正がどこに潜み、どのソースがそれを提供しているかをよりよく理解するために重要です。
貴社アプリ専用のアプリ内不正インデックス
「メディアソースごとの上位IAE(In-app Events/アプリ内イベント)不正」ウィジェットは、アプリ内不正の量が最も多いメディアパートナーの特定のために使用できます。各メディアの活動を、リアルタイム不正、ポストアトリビューション不正、および不正ではない活動に分類し、パーセンテージ(%)で表示します。
単純な標的リストのように見えるかもしれませんが、これは必要な調査の最初のステップにすぎないことにご注意ください。次のステップは、各メディアのデータを調査し、気になるブランチメディアのサイトIDを特定し、しかるべきメディアと一緒に不正広告の問題に対処して、相互に有益なメディアポートフォリオを構築することです。
このような調査は必須であり、内訳(画面の下部)およびローデータレポートを使って行うことができます。
さあ、ハンドルを握ってはじめてみよう
アプリ内不正のブレイクダウン(内訳)チャートは、アプリ内不正データを動的に、そしてレスポンシブに可視化したものです。グラフのいずれかのレイヤーにカーソルを合わせると、不正の種類、チャネル、ボリュームなど、そのセクションのインサイトが得られます。さらに、レイヤー内の各セクションの特定の詳細を提供します。レイヤー内の特定のセクションをクリックするとグラフが再構築され、選択したレイヤーの詳細とそれを構成するレイヤーの詳細が表示されます。
グラフの内側のレイヤーからドリルダウンプロセスを開始し、動的な円グラフを展開しながら作業を進めるのが最善です。たとえば、偽のインストールとハイジャックされたインストールの一般的なオーバービューから始めて、偽のアプリ内イベントにドリルダウンし、偽のインストール後に作成されたアプリ内イベント数を確認します。その後、このアクティビティを提供したメディアパートナーとそのボリュームを特定できます。
真実を明らかにする
インストール不正と同様に、通常のアクティビティのオーバービューだけでは十分ではありません。アプリ内イベント不正のブレイクダウン(内訳)は、アプリ内の不正行為の徹底的な調査に必要な情報を提供します。
各メディアの活動の内訳を深く掘り下げることは、彼らの活動内の特定の不正なサイトIDを特定するのに役立ちます。ここで確認したすべてのツールとローデータレポートを組み合わせてグラフをうまく使用すると、高品質のメディアポートフォリオを構築でき、キャンペーンでのアプリ内不正およびCPA不正を最小限に抑えることができます。
今後の予定
アプリ内不正アクティビティダッシュボードは、顧客やパートナーに不正のないエコシステムを提供するというAppsFlyerの長年の目標へ向けた、1つのステップです。不正業者はCPAキャンペーンの成長とアプリ内アクティビティの計測によってもたらされる新しい市場の現実とチャンスに適応しつつあり、私たちはアプリ内不正はモバイル不正広告の次の課題であることを十二分に認識しています。
広告主により包括的な保護レイヤーを構築するために、AppsFlyer機能とのさらなる統合が計画されており、今後も開発は続いていきます。各アプリ開発者独自のアクティビティロジックなどを利用して、高度な不正によるリスクを排除するための定義、イベントレベル、ルールなどにカスタム機能を提供します。今後、インストールの計測以上に影響を与え得る高度な不正行為を、より詳細に、そしてパワフルに制御できるソリューションをお客様に提供できるよう製品開発に取り組んでまいります。
今後にご期待ください。