はじめに
Google Playでは350万(英語記事)のアプリが、Apple App Storeでは210万本のアプリが公開されているといわれていますが、その中で、自社のアプリをより多くの人に知ってもらうにはどうすればよいでしょう?モバイルアプリをヒットさせるために、特定の手法はあるのでしょうか?もちろんあります。それはアプリマーケティングと呼ばれるものです。
アプリの使用方法、販売方法、マーケティング方法は、ここ数年で劇的に変化しており、マーケターにとっては、これをフルに生かすまたとないチャンスとなっています。
安価なアプリに無制限にアクセスできた時代はとうの昔に過ぎ去りました。今では、無料アプリがサブスクリプション、マイクロトランザクション、アプリ内購入によって収益化されており、アプリ市場は広告主やデベロッパーにとってもっとも利益を見込める機会の1つとなっています。
もちろん、インストールを促進することがアプリマーケティングの最終的な目標だという考えもあるでしょうが、キャンペーンが成功すれば、アプリのリテンション率、利用率、そして最終的にアプリでの収益が増加するということも心に留めておいてください。
このガイドでは、アプリマーケティングの基本から、専門家による実践的なヒントやトレンドまで、覚えておくべきポイントをすべて紹介します。次のヒットアプリを生み出すためにぜひお役立てください。
第1章
アプリマーケティングとは
アプリマーケティングとは、広告、プレースメント、プロモーションを通じてアプリの認知度を高め、新規ユーザーを獲得し、ユーザーを維持する手法です。
モバイルアプリマーケティングとモバイルマーケティングの違い
モバイルアプリマーケティングとモバイルマーケティングを混同してしまうことは、マーケターが陥りがちな間違いの1つです。
モバイルマーケティングとは、モバイルデバイスを媒体とした広告、プロモーション、マーケティングに関連するあらゆるものを広義に定義したものです。SMSマーケティング、メールマーケティング、通知を使ったマーケティングなどもこれに含まれます。
一方モバイルアプリマーケティングは、特定のアプリのプロモーションを指します。
アプリマーケティングとアプリ広告の違い
アプリ広告は、アプリ内広告、バナー広告、テキスト広告、リッチメディアモバイル広告などのチャネルを活用した有料の手法です。モバイルアプリマーケティングは、ユーザーの獲得、リテンション、コンバージョンを目的としたもので、オーガニックな手法と有料の手法の両方が含まれます。
アプリマーケティングの種類
アプリの名を広める方法は数多くありますが、肝に銘じておきたいのは、スピードよりも方向性が重要だということです。ただ手当たり次第に宣伝すればよいというものではありません。貴重な時間やお金は、もっと有意義に使いましょう。
皆さんが戦略を構築するうえで参考となるよう、アプリのさまざまなマーケティング方法についてここで簡単に説明します。
ただし、どのアプリにも独自の目的があり、オーディエンスも異なります。したがって、アプリごとにもっとも理にかなった選択肢を探すようにしてください。
アプリストア最適化
アプリストア最適化(ASO)とは、より多くのダウンロードを促進するためにアプリストアでのプレゼンスを最適化するプロセスのことです。本質的にはSEOと同じ概念ですが、これは、アプリのための最適化です。
言い換えると、ASOの目的は、アプリストアで自社アプリの閲覧数を増やすこと、関連キーワードで自社アプリが表示されるようにすること、できるだけ多くのインストールを促進することです。
適切なASOを実施すれば、有料のキャンペーンよりもエンゲージメントの高い新規オーガニックユーザーを継続的に獲得できます。
ソーシャルメディアでのアプリマーケティング
ソーシャルメディアは、オーガニックおよび有料チャネルの両方でブランド認知を高めることができる強力なツールです。
そのよい例がポケモンGOです。ポケモンGOのオーガニック投稿では、ロイヤリティの高いプレイヤーのエンゲージメントを維持する目的で、チュートリアル、ビジュアルガイド、シークレットイベントのドロップが配信されています。
一方、有料広告は、ポケモンGOのマーケティングミックスにおいて別の役割を担っており、新規および復帰プレイヤーに新しいイベントや魅力的な特典を宣伝する手段として使われています。この2つの組み合わせにより、ポケモンGOは2021年だけで8億8,700万ドル(英語記事)以上を稼ぎ出し、最高収益を上げたモバイルゲームの1つとなっています。
インフルエンサーマーケティングとは
ソーシャルメディア上でオーガニックなオーディエンスを増やすことは、日に日に難しくなっています。有料トラフィックの競争は激化しており、無料のオーガニックリーチはすべてのソーシャルメディアチャネルにおいてますます限られてきています。
こうした理由から、ブランドはインフルエンサーと提携し、影響力のある有名人やネットで話題の人物、業界の専門家にアプリを推薦してもらうことで、ブランドの認知度を高め、コンバージョンを促進しています。
数字を見れば、インフルエンサーマーケティング戦略を活用することは完全に理にかなっています。調査によると、消費者の61%がインフルエンサーを信頼(英語記事)しているのに対し、ブランドから直接受け取るメッセージを信頼している消費者は38%に過ぎません。インフルエンサーマーケティング業界の評価額は過去最高の164億(英語記事)ドルに達しています。
アプリ内広告とは?
アプリ内広告(IAA)は、モバイルアプリ内での広告配信によってアプリデベロッパーが報酬を得る収益化戦略であり、フリーミアム主流の市場においてアプリデベロッパーの重要な収益源になっています。
IAAを活用すると、アプリマーケターは、類似するアプリから関連性の高いユーザーに適切なタイミングでリーチすることができます。要するに、カジュアルゲーマーは他のカジュアルゲームをダウンロードする可能性が高いということです。
アプリマーケティングの可視化 – アプリマーケティングファネル
アプリマーケターが新しいオーディエンスにリーチしてコンバージョンにつなげる過程を概念化する場合、2つの方法があります。これらの過程はファネルと呼ばれ、主に2つのタイプに分けられます。
1つ目は従来からある3段階のジャーニーです。潜在的なユーザーが認知段階から始まって、獲得段階に移行し、リテンション段階で終わります。
このタイプは、アプリマーケティング以外のマーケティング戦略にも広く適用されます。
2つ目のファネルは、アプリマーケティングに特化したユーザージャーニーです。インプレッションから始まり、クリック、アプリストア、ダウンロード、インストールへと進み、アプリ内イベントで終わります。
この2つのファネルは互いに重なり合っていますが、それぞれ固有の異なる特質を備えています。
- インプレッションは認知段階に該当
- クリック、アプリストア、ダウンロード、インストールはすべて獲得段階に該当
- アプリ内イベントはリテンション段階に該当
少しわかりにくいかもしれませんが、心配する必要はありません。ここから、それぞれの段階について詳しく見ていきましょう。
認知 – アプリの名を広める
まずは、新規の潜在ユーザーをアプリに呼び込む段階、つまりファネルの最上位にある認知段階から始めましょう。
これは、評判、話題性、一般的な認知度の向上を試みる重要な段階であり、露出度を最大限に高め、名前を広めて、ユーザーが決断を下しやすくすることを目的としています。
一般的に、認知段階は非常に広い範囲で始まります。したがって、何よりもまず、ターゲットオーディエンスを理解することにリソースを割くのが得策といえます。
オーディエンスの友人、セラピスト、専門家、コンサルタントになる
その第一歩は、だれが、いつ、なぜ、どこで、どのようになど、オーディエンス像を詳細に描くことです。まず、自分自身に次のような質問をすることから始めましょう。
- このアプリはどのような問題を解決するのか?
- そうした問題に直面しているのはだれか?
- そのオーディエンスは、どのようなオンラインコンテンツに関心を持っているのか?
- どの年齢層をターゲットにするのか?
- どのような競合アプリからインスピレーションを得ることができるのか?
- このアプリは、娯楽、教育、あるいは贅沢品のうち、どの役割を果たすために作られているのか?
次のステップは、ユーザーの意見を聞いて自身の仮説を疑い、補強することです。
アンケートを実施する場合は、できるだけパワーユーザーに参加してもらうようにしましょう。核心に迫る質問をして、自分の思い込みを疑ってみます。予算が許せばフォーカスグループも検討してください。
オーガニックなマーケティングチャネルとオウンドメディアで機会を開拓する
これで、オーディエンスがよく使うチャネルを調査に基づいて判断できるようになりました。
認知段階では、リソースをあまり分散させないと同時に、できるだけ多くのチャネルをテストできるような戦略を考案することが不可欠です。
自社が保有するチャネルでオーガニックマーケティング戦略を構築することは極めて重要です。メールリストを拡充する、TikTokのフォロワー数を増やすといった方法は、いずれも自然に口コミを広める絶好の機会となります。
そのためのヒントをいくつか紹介しましょう。
- 会社プロフィールをランディングページのように扱う。何をする会社であるかを明確にし、プロフィール画像とバナーを更新して、明確なCTAと連絡先情報を追加します。
- 競合調査を行う。パフォーマンスの高い競合アプリの投稿を確認し、そのトーン、コピー、スタイル、コンテンツ形式からインスピレーションを得ましょう。たとえば、オウンドメディア戦略の中で好ましくないものや足りないものがインスピレーションとして得られる場合があります。
- 「スケールしないこと」を試してみる。ときには、小規模なクリエイターにパーソナライズされたDMを送ってコラボレーションの機会を求めたり、どのようなものが見たいかをオーディエンスに質問したりしてみるのもよいでしょう。
どのようなコンテンツで勝負するにしても、常に新しいフォーマットをテストし、上記で挙げたオーディエンスのペインポイントにもっとも響くコンテンツを作成するようにしてください。
獲得 – アプリインストールを促進する
オンラインプレゼンスを確立したら、次はさらにステップアップして、より多くのユーザーにアプリをダウンロードしてもらうための戦略を練りましょう。
獲得段階では、有料チャネルとオーガニックチャンネルの両方を通じてインストールを促進することに重点を置きます。少数の重要な戦略に焦点を絞る場合は、いくつかの方向性をとることができます。それらについて簡単に説明しましょう。
有料広告
効果的な有料広告戦略とは、十分にテストされた戦略です。TikTok、Snapchat、Instagramのどれを使うにしても、メッセージ、クリエイティブ、ターゲティングは時間をかけて調整する必要があります。
有料広告戦略を成功させるための第一歩は、明確なKPIを特定することです。何をテストし、何を計測すべきか、何を基準に成功を定義すべきかをしっかりと把握することが、広告予算を最大限有効に活用するための鍵となります。
有料広告戦略では、支払い額の高い既存ユーザーと似た特性を持つ類似オーディエンスを作成する場合もあります。また、リマーケティングキャンペーンを検討して、アプリにしばらくアクセスしていないユーザーを対象に特別なプロモーションを実施することもできます。
アプリストア最適化
第1章で説明したとおり、ASOは、トラフィックとインストールを促進するためにアプリストアを最適化するプロセスです。ここでは、もう少し戦術的な話をしましょう。
アプリストアの最適化を今すぐ始める方法をいくつかご紹介します。
- アプリのターゲットオーディエンスの定義を明確にします。オーディエンスのデモグラフィック情報、役割、特徴を特定し、メッセージを絞り込みます。
- 競合調査を実施し、自社が属するニッチ分野において競合他社がうまく対応している点とそうでない点を確認します。
- オーディエンスの核となる問題とその解決策を表すキーワードを調査します。AppTweakやApp Radarのようなキーワードツールの使用を検討しましょう。
- 以下の3つの基準を使ってキーワードを検証します。
- 関連性 – 自社のオーディエンスにどれだけ特化しているか?
- 難易度または競合性 – このキーワードによる上位表示の競争率はどの程度か?
- 検索ボリューム – このキーワードで検索するユーザーは何人程度いるか?
- アプリストアの製品ページに自然にキーワードを組み込みます。
これを実行するための詳細な手順については、ASOガイドをご覧ください。
第4章
ロイヤリティの構築 – リテンションおよびエンゲージメント戦略
昔からよく言われているように、新しい顧客を獲得するよりも既存の顧客を維持する方が安上がりです。アプリ内購入やサブスクリプションによってアプリの利用が後押しされる今日の世界では、ロイヤルユーザーベースを構築することが、効果的な収益化のための絶対的な目標です。
リテンションと解約に関しては、良いニュースと悪いニュースがあります。まずは悪いニュースから紹介すると、アンインストールされたアプリのうち、50%は「使わないから」という理由で削除されています。一方良いニュースは、少なくとも週に1回アプリにアクセスしているユーザーの90%は、アプリを使い続ける可能性が高いということです。
では、ユーザーのホーム画面の3ページ目で放置されているロゴを蘇らせるにはどうすればよいでしょうか?ここで、いくつかの戦略を紹介しましょう。
円滑なオンボーディングエクスペリエンスを提供する
第一印象は何よりも重要です。初デートにボサボサの頭で遅刻してきたら、2度目のチャンスはまずありません。同じように、新規ユーザーには円滑なオンボーディングエクスペリエンスを提供する必要があります。
以下はそのためのヒントです。
- 簡潔にする。チュートリアルの手順を最小限に抑えます。
- 早急に価値を示す。人を感動させる要素(「WOWファクター」)をできるだけ早い段階でアピールすることで、可能な限り迅速にユーザーの注意を引きます。
- ヘルプコンテンツを提供する。チュートリアルビデオやヘルプ記事などのセルフサービスコンテンツがあれば、新規ユーザーがアプリを最大限有効に活用できます。
プッシュ通知を適切に活用する
通知がユーザーの負担になることもあります。米国の平均的なスマートフォンユーザーは、1日に46件(英語記事以上もの通知を受信しているといいます。しかし、気の利いた通知なら極めて役に立つ場合もあります。たとえば、次回の宅配注文が50%割引されると通知されれば、断る人はいないはずです。
期間限定セール、ゲーム内の特別イベント、精算のリマインドといったプッシュ通知は、適切なタイミングでユーザーにリエンゲージメントを促すのに非常に効果的です。
では、どれくらいの頻度になると多すぎると見なされるのでしょうか?週に1回受信すると10%のユーザーが通知を無効にし、週に3~6回受信すると40%のユーザーが通知を無効にするといわれています。この数値から判断してみてください。
しかし実際のところ、重要なのは通知の数よりもその目的です。通知を送る場合は目的を意識して、注意深くタイミングを決定しましょう。
有料リエンゲージメントキャンペーン
ときには何らかの事情で、パワーユーザーにアプリの存在を忘れられてしまうこともあります。効果的な有料リエンゲージメント戦略があれば、収益性の高いユーザーを少し後押ししてアプリに呼び戻すことができます。
アプリの利用を止めたユーザーを1人残らず取り戻そうと試みても、貴重な広告費を無駄にするだけです。代わりに、オーディエンスをセグメント化し、以前にアプリをよく使っていたユーザーのリエンゲージメントを促します。
たとえば、過去14日間はゲームを立ち上げていないが、以前は有料のマンスリー会員になっていたユーザーについて考えてみましょう。そうしたユーザーは、ゲーム内で特典を提供する「ウェルカムバック」ボーナスの対象とすることができます。
また、Eコマースアプリの場合には、過去2か月間購入のないユーザーを特定し、次回の注文時に独自の割引を提供することができます。
第5章
覚えておくべきアプリマーケティングの必須指標
成功するアプリマーケティング計画は、明確であり、計測が可能です。では、何百もの紛らわしい略語がある中で、どれに注目すべきなのでしょうか?ここでは、もっとも重要な10のアプリ指標を紹介します。
- CTR(クリックスルー率):広告を表示してクリックしたユーザーの割合。CTRはバニティメトリクス(虚栄の指標)とみなされる場合もありますが、広告クリエイティブのパフォーマンスを計測するうえで効果的な基準指標の1つです。
数式:クリック回数/広告表示回数
- CTI(クリックツーインストール):クリックしてからアプリをインストールしたユーザーの割合。これはインストール前のユーザージャーニーにおけるもっとも強力な2つのタッチポイント間の相関関係を計測するものです。CTIは、関連性、アプリストアのパフォーマンス、読み込み時間を把握するのに役立ちます。
数式:インストール数/広告クリック回数
- ROAS(広告費回収率):これは、広告費の収益性を通貨単位で計測し、キャンペーンのパフォーマンスを大まかに示すものです。
また、獲得したユーザーの質を示す有力な指標でもあります。言い換えると、マーケティングに費やされたコストに対し、マーケティングキャンペーンで獲得したユーザーから一定期間内にどれだけの収益が得られたかを表します。
数式:特定のキャンペーンで獲得したユーザーから一定期間内に得られた収益/マーケティング総費用
- DAU(1日あたりのアクティブユーザー数):24時間以内にアプリに関わったユニークユーザー数を計測するもので、ゲームなどの毎日アクセスされるアプリによく使われます。
数式:新規のユニークユーザー+再訪のユニークユーザー
または、30日以内にアプリを利用したユーザー数を示す代替指標として、MAU(1か月あたりのアクティブユーザー数)を使用することもできます。
- 離脱率:アプリのアンインストール、プランのダウングレード、サブスクリプションの解約を行ったユーザーの割合。逆に、リテンション率は、購入やプランのアップグレード、サブスクリプションの更新を継続しているユーザーがどの程度いるかを定義するものです。
数式:離脱ユーザー数/総ユーザー数
- ARPU(ユーザーあたりの平均収益):アプリ内購入(IAP)、広告インプレッション、広告クリック、サブスクリプション、有料ダウンロードなどから生まれたユーザー1人あたりの平均収益。ARPUは、ユーザーの質を通貨単位で測るのに効果的な指標です。
数式:あらかじめ設定された期間内における収益額/総ユーザー数
7. PF(購入頻度):ユーザーが購入する頻度。これにより、購入回数がゼロのユーザーとリピート購入が多いユーザーを分けることができます。
PFはユーザーのロイヤリティを示す有効な指標です。PFの高いユーザーの類似オーディエンスを作成し、リマーケティングキャンペーンから除外することを検討しましょう(すでにエンゲージメントが高いため)。
数式:一定期間の総購入回数/同じ期間のユーザー総数
8. LTV(顧客生涯価値):1人のユーザーが一定期間内に生み出すと予測される収益の合計。既存ユーザーを維持する方が新規ユーザーを見つけるよりも安上がりであるため、LTVを活用することで、収益性の高いユーザーの引き留めに重点を置くことができます。
また、広告費の枠組みも判断できるため、マーケターは収益性を維持するためにキャンペーンにどれだけの広告費を割くべきかを計算できます。
数式
ステップ1:平均購入金額=(総収益額/購入回数)
ステップ2:平均購入頻度=(購入回数/ユニークユーザー数)
ステップ3:ユーザー価値=平均購入頻度x平均購入金額
ステップ4:LTV=ユーザー価値×平均ユーザー寿命
9. ファネルのコンバージョン率:アプリファネルの各段階で先の段階へと移行したユーザーの割合。これは、まず2つの特定のアプリ内イベントをマッピングし、次にそれらのイベント間のコンバージョンを測ることで計測できます。
たとえば、インストールから購入に至った割合を計測できます。これによって、ユーザーがファネルのどこで行き詰まっているかを特定できるため、アプリを改善し最適化するためのインサイトが得られます。
数式:(目的のイベントのコンバージョン総数/アプリ内の最初のイベントの総数)x100
重要なポイント
- アプリマーケティングとは、広告、プレースメント、プロモーションを通じてモバイルアプリの認知度を高め、新規ユーザーを獲得し、ユーザーを維持する手法です。
- アプリマーケティングのファネルは、認知、獲得、リテンションの3段階に分けられます。
- アプリマーケティングキャンペーンを成功させるには、必ずオーディエンスを理解することから始めます。可能な限り調査を行い、だれが、いつ、なぜ、どこで、どのようになど、オーディエンス像を詳細に描きます。
- 成功するアプリマーケティング計画は、シンプルかつ明確であり、計測が可能です。たくさんの指標の中で目的を見失うことがないよう、第5章に挙げたものの中から、アプリのニーズにかなった一部の指標のみに焦点を絞ります。